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北朝鮮ミサイルでよく聞く「排他的経済水域」って何? 広さは?
北朝鮮は4月5日朝、日本海に向けてミサイル1発を発射しました。ただし、日本の「排他的経済水域」の外側だった、とすぐに発表がありました。時々、聞くこの「排他的経済水域」、場所が「海」なだけにその範囲ってちょっとわかりにくいです。東京からの距離に例えたらどのくらいで、「公海」「領海」と何が違うのでしょうか?
排他的経済水域とは、それぞれの国が「そこはうちのものです」と言い切れる海のことを言います。
海岸から370キロ先までの範囲です。自由に魚を捕ったり、石油やレアメタルといった海底にある資源を探したりできます。
たとえば東京と大阪の直線距離がおよそ400キロですから、けっこう広い範囲。他の国と重なることがあるので、そのときは話し合いでお互いの範囲を決めます。
陸地と違って海では境がわかりにくいため、こういう取り決めをしています。なお、どこにも属さない海を公海と呼び、どの国も自由に使っていいことになっています。
「領海」ということばもあり、これは海岸から22キロまで。その国の法律がそのまま適用になる「海の領土」です。
東京都庁(新宿区)からの距離でいうと、さいたま市(19キロ)や川崎市(18キロ)くらい。だいぶ近くなります。
日本政府はこれまで、北朝鮮のミサイルが発射されただけでも、非難声明を出してきました。もし、排他的経済水域ではなく領海にミサイルが落ちていたら……。これはもう武力攻撃ということになります。排他的経済水域とは、比べものにならないくらいの深刻な状況を招くことになります。
今回、朝鮮のミサイル発射が報じられると、日本政府はまず、排他的経済水域の外に落ちたと発表しました。
ミサイルが日本の漁船の上に落ちたら大変ですが、この発表によって、その可能性はどうやら低そうだ、ということがわかるわけです。
なお、北朝鮮は今年3月6日にも3発のミサイルを発射しています。落下したのは近いもので秋田・男鹿半島の西300キロ。排他的経済水域の中です。秋にはスルメイカ漁が行われる場所だったといいます。
男鹿市は北朝鮮に近いので、ミサイルが陸地まで飛んできた場合に備えた避難訓練も行われています。
なお、今回のミサイルは北朝鮮から60キロの距離までしか飛びませんでした。日本政府は、飛行機や船への被害は確認されていないとしています。
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