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半蔵門さんからの取材リクエスト
ターバンってどうやって洗うんですか?
サウジ国王へ素朴な疑問…ターバンどう洗う? 日本製多い民族衣装
ターバンってどうやって洗うんですか? 半蔵門
サウジアラビアのサルマン国王が来日しました。豪華な旅に注目が集まりましたが、その民族衣装も気になります。日本ではなじみのない「ターバン」のお手入れ方法は? 真っ白な民族衣装「カンドゥーラ」の布は日本製が多いという意外な事実。中東の知られざる「アパレル事情」を取材しました。
ターバンのお手入れについて、在日サウジアラビア大使館が設立したアラブ・イスラーム学院(東京都港区) に聞きました。
サウジアラビアでは、ターバンを洗濯機に入れて洗います。担当者によると「王族から一般の家庭まで、ターバンを洗ったら、アイロンかけやのり付けもしますよ」とのこと。
実際、日本で生活している人はどのように洗っているのでしょう?
都内でアラビアンレストランの「パルミラ」を経営しているレバノン出身のアメタ・スレイマンさんに聞きました。
スレイマンさんも「洗濯機にターバンと洗剤を入れて、普通に洗います」と言います。
「洗濯の頻度には個人差がありますが、汗を多くかいた日とか、毎日洗う人もよくいますよ」と教えてくれました。
ただ、ターバンを固定する「リング」は洗わないそうです。
ターバンと同じく、真っ白な「カンドゥーラ」も、アラブ人ならではの民族衣装です。
その「カンドゥーラ」の生地は「トーブ」と呼ばれていますが、日本製が圧倒的なシェアを占めています。
日本の大手繊維メーカー「東洋紡」の植村豊土(とよど)さんは「日本製が全体の5割以上、高級品ではほとんどが日本製と言われています」と説明します。
なぜ日本製が多いのでしょう?
植村さんによると、第一の理由は水です。繊維業に不可欠な水が現地では十分、用意できないからです。
日本製の特徴は「洗濯しても縮みにくいことやシワになりにくい」こと。約40年前に「東洋紡」が進出し、その品質が認められ、シェアが拡大したそうです。
ちなみに、同社は手がけていませんが、女性用の民族衣装の生地「アバヤ」も輸入に頼っているそうです。
二つ目の理由はその品質。もともと「トーブ」は綿でした。「東洋紡」がポリエステルの生地を提案したところ、その鮮やかな白さや、洗濯をしても丈が変化しないことが評価され、市場で受け入れられたそうです。
合成繊維を使いつつも、柔らかな風合いを実現し現地になじんだ「意外な日本製品」だったのです。
植村さんは「同じ白でも、現地のニーズやトレンドに応じた様々な上質な色味を表現しています」と話していました。
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