退避勧告が出ている国……シリア
中東と聞くと砂漠のイメージがありますが、レバノンとシリアの間の高原は一面、真っ白な雪景色。快晴ですが、冷たい風が吹きつけています
北部アレッポへ出発
ダマスカスから北上し、1時間ほど走ると幹線道路脇にドライブインを発見。まずは腹ごしらえ。左は「ハラワ」と呼ばれるスイーツ。右は薄い生地に挽き肉をのせて焼いた物。ピザのような感じ。甘いチャイ(紅茶)とともに味わいます
途中の道路表示。一番上は過激派組織「イスラム国」(IS)が支配する都市、ラッカです。途中まで同じ道を行きます。アレッポまであと200キロです
数キロおきにシリア政府の検問所
アレッポまであと100キロ。きれいに舗装された一直線の道路が続きます。左側には真新しい送電線と電柱がありますが、まだ工事中とのこと。周辺は砂漠が広がっています
アレッポまで約80キロ。とんがり屋根の変わった建物が車窓から見えました。独特の形が砂漠地方の暑さをやわらげるとのことです
午後3時すぎ、アレッポ南部に到着。突然、世界が変わりました。いきなり目に飛び込んできたのは、崩れ落ちた建物、破壊され横倒しになった車両。中心部のホテルに向かっています
アレッポ中心部のホテルに到着。ロビーにはまだクリスマスツリーが飾られて、華やかな雰囲気。イスラム教徒が多いお国柄でも、クリスマスは人気でした。右側のカウンターの奥にはアサド大統領の写真が掲げられています。しかし、東側の惨状とのギャップに驚きます
ホテルのロビーには今のシリアを象徴するようなお皿がお土産品として売られていました。右がシリアのアサド大統領で、左はロシアのプーチン大統領。ロシアの軍事介入が本格化してから戦況が変わり、政府側のアレッポ制圧につながりました。ロシアとの蜜月ぶりを表しています
ホテルの部屋の窓から東側を見ると、衛星放送のアンテナが密集しています。所々、窓にはスナイパーから撃たれないように大きな布がつりさげられています。最近まで戦闘が続いていたことを思い起こさせます
着いた初日、外を見ていると、「ドーン」。大きな音に思わず身を伏せました。見ると、北の方角に巨大な白煙。翌日、同行した情報省職員に確認すると、地雷除去をした際の爆発とのこと。やはり気が抜けません
1月11日、ホテルで朝食を終えて、窓ガラスを見ていると、銃で撃たれたような跡がありました。貫通はしていないようでした。かつてホテルにも攻撃があったことがわかります
1月9日、アレッポ東部の住宅地マサケン・ハナノ地区へ。多くの避難民が援助団体の食料の配給に列を作っていました。住宅には水も電気もありません。戦闘がおさまったことにはホッとした表情を見せていました
1月9日、アレッポ西部のシリア料理のレストランへ。フツーに営業しているのが変な感じですが、「東」と「西」では完全に状況が異なっています
メニューの一部。英語メニューがあることから、かつて欧米からの観光客も多かったのだと思われます。一番上には「スキヤキ」と思われる表記が……。右のサラダは中東ではメジャーな「ファットゥーシュサラダ」。ダマスカスよりドレッシングが甘酸っぱいのがアレッポ風でした
アレッポからダマスカスへ
知られざるシリア料理の世界
左の写真は「クッベ」と呼ばれるコロッケのようなもの。中に挽き肉が入っています。他にもファットゥーシュサラダ、パイで包んだシリア式チャーハンの「ウージー」などなど
ダマスカス旧市街の名門レストランにて。羊の骨付き肉と穀物を炊いたもの。中東地域では同様の料理があるそうです