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コラム

『ブラック部活』どう思う? 〝30秒で泣ける漫画〟の作者が描く

漫画家・吉谷光平さんが「ブラック部活」について描きました。

漫画「ブラック部活動」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「ブラック部活動」の一場面=作・吉谷光平さん

 活動時間がやたらと長い「ブラック部活」。ツイッターに投稿した漫画「男ってやつは」が〝30秒で泣ける〟と話題になった漫画家・吉谷光平さんが描きました。

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漫画「ブラック部活動」=作・吉谷光平さん
漫画「ブラック部活動」=作・吉谷光平さん
 活動時間がやたらと長いブラック部活の実態は、顧問として長時間労働を強いられる教員だけでなく、子どもの健全な成長を危惧する保護者たちの間でも、問題視する声は少なくないようです。先日withnewsで、忙しすぎる練習スケジュールの再考を中学校に強く求め続け、ついに改善させた父親に話を聞いた記事が配信されました。

漫画「ブラック部活動」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「ブラック部活動」の一場面=作・吉谷光平さん
 東京都の公立中に通う長女の部活動の休日は、月1日程度しかありませんでした。週末や祝日も朝8時に家を出て、夕方6時の帰宅が当たり前。もちろん、家族が一緒に過ごす時間はありません。他の保護者の考えも聞き、父親は学校に改善を求めました。「部活が『本業』になっている。おかしいのでは?」

 しかし、顧問も管理職もはぐらかすような態度。学校というところは、都合の悪いことには、一筋縄ではいかない相手です。それを実感した父親は、理論武装を固めました。
漫画「ブラック部活動」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「ブラック部活動」の一場面=作・吉谷光平さん
 調べ上げたのは、国の提言や教育委員会のガイドライン。1997年に文部省(現文部科学省)の有識者会議が「週に2日以上」「大会参加などで土日に活動する場合は他の曜日で確保」など、中学校の部活動における休養日の設定例を出していました。

 兵庫などいくつかの県教委が、家族で過ごす時間などを保障する練習時間の設定を手引として出していることも調べました。
漫画「ブラック部活動」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「ブラック部活動」の一場面=作・吉谷光平さん
 数カ月後、学校側は「負けました」と、父親の意見に折れます。練習日程は改善され、今は平日1日と土日のどちらかが休養日になり、週末の練習も半日に。長女は部活以外の友人ともカラオケや買い物を楽しむ“健全な”生活を送るようになりました。

 そもそも父親は、外部指導者が作る練習日程に付き合わざるを得なかった顧問ら、現場の教員たちを気遣います。

 「土日までフルに出勤させられると、先生を目指す人が少なくなり、ひいては教員全体の質的低下と公教育の荒廃を招くのでは、と危惧しています」
漫画「ブラック部活動」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「ブラック部活動」の一場面=作・吉谷光平さん

 【よしたに・こうへい】 26歳の漫画家。サラリーマン生活や漫画家アシスタントなどを経て、月刊スピリッツの「サカナマン」でデビュー。月刊ヤングマガジンの連載「ナナメにナナミちゃん」の単行本1巻が発売中。ツイッターで公開した2ページ5コマの漫画「男ってやつは」が〝30秒で泣ける〟と話題に。

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