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IT・科学

サンリオが「MERY」とのコラボ撤回 「非公開になればお客様に迷惑」

「MERY」とのコラボを撤回したサンリオの看板キャラ、キティちゃん
「MERY」とのコラボを撤回したサンリオの看板キャラ、キティちゃん 出典: 朝日新聞

目次

 IT大手・DeNAが、女性向け人気サイト「MERY」の全記事を、7日から非公開にすると発表しました。MERYは記事に無断転載や規約違反の可能性があるとして、大半の記事を非公開にしながらもサイト運営は続けてきました。しかし、問題に巻き込まれるのを避けるため、MERYとのコラボ企画を取り下げた企業も出てきていました。DeNAは今回の決断の理由を「企業としての信頼を回復する最善の道」と説明しています。

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DeNA、当初は「問題ない」

 コラボ企画を取り下げたのは、サンリオピューロランド(東京・多摩)です。

 サンリオは同園で、11月29日からMERYとのコラボ企画「instagramキャンペーン」を始めていました。

 来園者が、園内で撮影した写真を「#ぴょこのる_MERY」とハッシュタグをつけてインスタグラムに投稿すると、抽選でプレゼントが当たる企画です。

 しかし、その29日にDeNAが、根拠の不確かな医療情報を載せていた「WELQ」の公開を停止。しかし、サンリオ側にはDeNAの担当者から「MERYは運営方針がWELQとは異なるので問題ない」と説明があったといいます。

公開停止が決まったMERY
公開停止が決まったMERY 出典:http://mery.jp/

「非公開になれば迷惑に」

 しかし、事態は深刻化していきました。

 12月1日にはDeNAがさらに8サイトの公開を停止。サンリオはMERYでも大量の記事削除が行われていることを知りDeNAに連絡を取りましたが、MERYの公開が続くかどうか確証の持てる返事は聞けなかったといいます。

 サンリオは「DeNA内部で今後の方針が定まっていない。仮にキャンペーン途中でMERYが非公開になれば、お客様にご迷惑がかかる」と判断。コラボの取り下げをDeNAに依頼し、12月3日からキャンペーンの内容を変更しました。

 写真をインスタグラムに投稿する際のハッシュタグは「#ぴょこのる_ピューロ」に変わり、キャンペーン名からもMERYの名前は消えました。

信頼回復、険しい道

 MERYが得意とするファッションの分野は、髪形や洋服、靴など、様々なジャンルがあり、ユーザーはピンポイントでそれらの情報を検索で探してきます。

 多様化するユーザーのニーズに対して、MERYは一般ユーザーがつくった大量の「まとめ記事」を用意することで、集客に結びつけてきました。

 検索結果で上位にくるコンテンツを揃えることで、若い女性からの支持を集め、その影響力を広告収入だけでなく、企業とのコラボなどに結びつける戦略をとってきたMERY。サンリオとの企画もその一環に位置づけられます。

 その根幹である「まとめ記事」に無断転載や内容の誤りなどが有る可能性が発覚したことで、ビジネスモデル自体を揺るがしかねない事態になっています。

 DeNAは外部専門家による第三者調査委員会をつくり、サイト運営の実態を調べるとしています。MERYはトップページで「重要なお知らせ」の告知を始めました。告知文では「現時点では復帰の具体的な目処が立っておりませんが、一日も早い復帰を目指し、誠心誠意努めて参ります」と利用者に訴えています。

 広告収入以外のビジネスにも波及した今回の問題。DeNA以外にも、サイバーエージェントやリクルートが運営するメディアでも記事の非公開は相次いでおり、各社とも早急な対応を求められています。

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