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名古屋人の心を揺さぶる伝説のローカル番組 「天才クイズ」限定復活
中部日本放送(CBC、名古屋市)でかつて37年間にわたり放送されていた伝説的ローカル番組「天才クイズ」が12月3日午後4時、「オトナの天才クイズ」として一日限定で復活します。当時の東海文化圏に縁のある人なら「懐かしいー」と感じるこの番組。いったいどんな内容で、なぜ復活することになったのでしょうか? 記者が取材をしました。
天才クイズは、公募で選ばれた小学生が「天才博士」から出題されたクイズに「○×帽子」で答え、「天才賞」を目指すというもの。CBCによると、1967年から2004年までに11万人超が出場しました。
「学校中から声援を浴びて収録に送り出された」「クラスでヒーローになれた」――。出場経験者がそう振り返るように、番組は当時の東海地方の子どもたちにとって身近で、かつ憧れの存在。
今年で開局60周年を迎えたCBCが視聴者に「やってほしいこと」を募ったところ、「復活希望」が一番多かったそうです。
今回は出場者を18歳以上にしました。子どものころ出たかったけど出場できなかったり、天才賞を逃しリベンジを誓ったり……。50組(3人1組)の枠に対し、10倍以上の応募がありました。
収録があった11月中旬のCBCホールは、童心に返った大人たちの笑顔があふれていました。
「天才クイズだドンとこい~」で始まるおなじみのテーマ曲が流れると皆がわきたち、放送開始当初から変わらない天才博士の甲高い声(演・鎌田吉三郎さん、79歳)が響くと「イエース!」と元気いっぱい。「答え~はっ!」のフレーズで解答発表が始まると、一様に緊張の面持ちでした。
ちなみに、天才博士の風貌(ふうぼう)は3度、変わっています。初代はロボット、2代目は帽子に白ひげ、3代目は白衣に茶ひげです。復刻番組には「3代目」が登場したのですが……。
以前は「等身大」だったのが、両手にのるほどのサイズに。小さくなった理由についてCBCは「オトナの天才クイズだけに、『大人の事情』です」といいます。
また、スポンサーは、かつてと同様、敷島製パン(Pasco、本社=名古屋市)の1社提供です。
自身も出場経験があるという小森耕太郎プロデューサーは収録後、「60周年にふさわしい、にぎやかな番組になった」と語りました。
「東海地方出身の大人の方々が、ふるさとの共通の話題としてこの番組のことを思いだし、語ってくださることも多い。『番組』というより『体験』。そんな存在ではないでしょうか」と話します。
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