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IT・科学

IoTを駆使「無駄にすごい」選手権 傘ゴルフ・紙くずフリースロー…

「傘ゴルフ」に熱中する参加者=横浜市
「傘ゴルフ」に熱中する参加者=横浜市

目次

 やってみたかったことが現実に? 三井不動産がオフィスビルの入居企業に楽しんでもらおうと「ビジネスポーツ選手権」なるものを開きました。「傘ゴルフ」に「紙くずフリースロー」、種目を聞くと、おふざけ感が…。ところがやってみると、す、すげえーーー!

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オフィスビルに特設スペース

 10月下旬、平日の午後2時。横浜市みなとみらい地区にある横浜三井ビルディングで、不思議な光景が広がっていました。

 ロビーに「ビジネスポーツ選手権」と書かれた大きな幕が張られ、特設スペースが設けられています。

ロビーに現れた特設スペース=横浜市
ロビーに現れた特設スペース=横浜市

 もうお昼時は過ぎているのに、通りすがりの会社員が次々と中に入っていきます。

 張られた幕には

「傘ゴルフ」
「紙くずフリースロー」
「プレゼンフェンシング」

 という分かったような分からないような3種目が楽しめるとあります。

幕に描かれたイラスト=三井不動産、三井不動産ビルマネジメント、カヤック提供
幕に描かれたイラスト=三井不動産、三井不動産ビルマネジメント、カヤック提供

ビニール傘を「もうちょい強く」

 まず目についた「傘ゴルフ」のコーナー。

 参加者にはビニール傘が手渡されます。床や壁は、電車の駅のホームに似せてあります。傘を思わず振ってしまう場所ということで選ばれたそうです。

 閉じた傘を、逆さまに握って思い切り振り抜くと、2メートル先のディスプレイが反応。画面の中で、ボールがグリーンに向かって飛んでいきます。

 傘の柄には加速度センサーが取り付けてあり、振りの強さを感知しています。

 強さによって、ホールインワンになったり、大きく左右にそれたり。カップとの距離に応じて最後に得点が表示されます。

 かなり本気で振らないと「もうちょい強く」と警告表示が出ます。スーツ姿の人が真剣に傘を振る姿は、なかなかシュールです。

スーツ姿で傘を振り抜く参加者
スーツ姿で傘を振り抜く参加者
ヒューンと音を立ててボールが飛んでいく
ヒューンと音を立ててボールが飛んでいく
カップとの距離に応じて、得点が入る。ホールインワンも可能
カップとの距離に応じて、得点が入る。ホールインワンも可能

ゴミ箱にぽいっ

 「紙くずフリースロー」のコーナーでは、いすに座り、丸めた10個の紙ゴミを3メートル先のゴミ箱へと放り込んでいきます。ものすごく、ものぐさな人になった気持ちになります。

 制限時間は30秒、ゴミ箱の入り口に取り付けたセンサーで紙くずの通過を検知しています。ゴミ箱の後ろのディスプレイに、残り時間とゴミ箱に入った個数が表示されていきます。

「スタートッ」の文字が合図
「スタートッ」の文字が合図
バスケットゴール風の画面。ゴミ箱に入った数が自動で表示される
バスケットゴール風の画面。ゴミ箱に入った数が自動で表示される

音ゲーをやっている気分に

 「プレゼンフェンシング」では、ディスプレイに「ネクタイペン」という謎の商品のプレゼン資料が表示されていきます。画面上に現れる円を、カッツンカッツンと指示棒でたたいていきます。自然と熱を込めてプレゼンをしているような動きになります。

 円はすぐ消えてしまううえ、スピーカーからは「いいぞ!」「分からん!」と声援(?)が飛び、妙にリアルな焦りが。

 画面を調子よくたたいていると、音ゲーをやっているような気分にもなります。

緑色の円をたたいていく
緑色の円をたたいていく

最後にサプライズ

 各ゲームは1分以内で終わる短いもの。3種目やっても5分程度で終わりますが、最後の最後で驚かされました。

 会場で渡された名刺大の紙のQRコードをスマホで読み込むと、自分用の結果ページを見ることができます。驚いたのは得点や順位だけでなく、プレー中の自分の姿も簡単な動画で表示されていること。そういえば会場には小型カメラのようなものがありました。各種目のための機器かと思っていましたが、撮影用だったんですね。

 入居企業の社員の場合、得点が会社ごとに集計されて競い合うことができます。会場の大型ディスプレーには、企業ごとの順位が表示されていました。ちょうど3種目を終えたシステム開発会社の女性社員(45)に話を聞くと、「午後は眠くなる時間だけど、いい気分転換になりました」といいます。

企業ごとの順位も自動集計
企業ごとの順位も自動集計

狙いは隙間時間

 三井不動産によると「ビジネスポーツ選手権」は今年が初開催。同社が運営している霞が関ビル、新宿三井ビル、横浜三井ビルで、10月に2日間ずつ開催しました。入居企業83社から、計約1000人の参加者があったそうです。

 なぜ、こんなユニークな催しを開いたのでしょうか。担当者は「仕事の隙間時間の5分を楽しんでもらいたかった」と話します。

 同社では入居企業を対象にビジネス交流会やフットサル大会などを開いています。しかし、そうした催しは拘束時間が長く、都合がつく人しか参加できないのが課題でした。

 日中の5分間なら、参加できる人は広がります。他の入居企業を意識してもらうことで「ビジネスや災害時に協力しやすい環境をつくり、オフィスビルとしての価値を高めたい」といいます。

 実際、ビジネスポーツの考案を委託した企業「面白法人カヤック」は、横浜三井ビルに支社を置いています。担当者は「入居企業との縁で、新たな取り組みを生み出せました」と話しています。

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