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「シン・ゴジラ」アジアの漢字表記がバラバラだった…新?正宗?真?
大ヒット中の映画「シン・ゴジラ」。興行収入は上映2週間でハリウッド版「Godzilla」の最終興行収入を超える33億円を突破し、今もファンを増やしています。アジアでも注目を集めている「シン・ゴジラ」ですが、気になるのが「シン」の文字。中国や台湾などでは「真」「新」など様々な訳がつけられています。海外での訳の意味、東宝の公式見解を聞きました。
初代の映画「ゴジラ」は、東宝の配給で1954(昭和29)年11月3日に封切られました。観客動員は封切館だけでも961万人の大ヒットとなり、日本の怪獣特撮映画の本格的な幕開けとなりました。
封切りされた年の3月、米国は太平洋のビキニ環礁で水爆実験をおこない、日本の漁船「第五福竜丸」が「死の灰」を浴びました。プロデューサーで後に東宝映画社長も務めた田中友幸さんはこの事件に接し、特殊技術を担当したは円谷英二さんがあたためていた特撮構想の映画化を決意したと言われています。
チーフ助監督を務めた梶田興治(こうじ)さんは、朝日新聞の取材に「怪獣ものだからといって世間の笑いものになるような作品にしてはならない――。本多(監督をつとめた本多猪四郎さん)、円谷、田中さんの思いはこの一点だった」と語っています。
そんなゴジラシリーズの最新作「シン・ゴジラ」は日本だけでなく、漢字圏の国などでも高い人気を誇っています。そして、中国大陸、台湾、香港、シンガポールなどでは、いろいろな訳がついています。
中国大陸では「哥斯拉」(ゴースーラ)。『シン・ゴジラ』の訳語は、『新・哥斯拉』。文字通り「新しいゴジラ」の意味になっています。
台湾は「哥吉拉」(ゴージーラ)。「哥吉拉」の発音は、よりゴジラに近いものです。『シン・ゴジラ』は「正宗・哥吉拉」と訳されており、「正真正銘のゴジラ」と言う意味になります。
香港、シンガポールの訳名は「真・哥斯拉」です。ゴジラの表記は中国大陸と同じく「哥斯拉」ですが、「シン」は本物のゴジラの意味の「真」が使われました。
東宝は、「シン」の訳についてどうのように考えているのでしょうか?
担当者は「『シン』の正式な解釈は決めていません。『新』か『真』か『神』か、観ていただいたお客様に判断してもらえたらと考えています」と話します。
また訳語については、海外ではアルファベットの「SHIN」で統一しているそうです。英語名は「SHIN GODZILLA」の名前で配給しています。
漢字圏の国などで使われている文字については「便宜上、その文字を使っているだけで、東宝側から文字を指定しているわけではありません」と説明しています。
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