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中国に現れた160億円の大豪邸 最高価格を更新 いったい誰が買う?
不動産ブームが起きている中国ですが、規格外の物件が登場して注目を集めています。総額10億元(約160億円)の価格は、中国大陸の不動産最高記録を塗り替えました。「東方のベニス」と呼ばれる蘇州に建築されたこの豪邸。いったいどんな家で、誰が買うのでしょうか?
この豪華物件は蘇州の独墅湖に囲まれた場所にあります。総面積は6730平方メートル。寝室だけでも32部屋あり、すべて南向きです。地下にはワインセラーも配備され、その貯蔵量は一生飲めるほどあると言われています。
建物は中国明・清時代の伝統建築で、庭も世界文化遺産の蘇州園林をイメージしています。そもそも蘇州には明清時代の名士が所有したプライベートの庭園がいくつか存在し、ユネスコの世界遺産に登録されています。また、プライベートの庭園の代表である「拙政園」と「留園」は、皇帝一族専用の御苑「頤和園」(北京)と「避暑山荘」(河北承徳)と一緒に「中国四大名園」に選ばれています。
豪邸の名前は、ずばり「桃源郷」(中国語では「桃花源」)で、その名の通りに「仙人の域」に達した雰囲気が醸し出されています。
「桃源郷」を販売しているのは、高級不動産販売物件を扱う「北京・サザビーズ・インターナショナル・リアルティ」です。ブランド責任者の隽兆豊(ジュワン・チャオファン=Juan Zhaofeng)さんによると、「桃源郷」物件を手がけたのは、中国の伝統的な建築手法を守ってきた「香山幇」という職人グループだそうです。
「香山幇」は、木・泥・石・漆・竹などの職人技を代々守ってきました。世界文化遺産に登録されている庭園を手がけたのも、ほとんどが香山出身者です。
そして「香山幇」は明の時代に北京の紫禁城の建造にも携わっています。そんな「桃源郷」は、中国伝統文化の一つの結晶とも言えるクオリティーを誇っています。
2013年に建造が始まった豪邸、実はまだ完成していません。クライアントの要望とニーズに応えて、内装などが追加可能になっています。最終的に完成するのは2018年だと見込まれています。
高級物件が売り出される背景には、中国の不動産ブームがあります。不動産バブルや投資目的で、中国では全体的不動産価格が急上昇しました。ゴーストタウンやバブル崩壊を防ぐために、国が価格の上昇を抑える政策を出していますが、北京・上海・深センのような大都市での不動産価格は依然として高騰しています。
今回の豪邸も、超富裕層がターゲットとされ、世界各地から問い合わせが寄せられているそうです。ネット上では、中東の「サウジアラビアの王室」が有力候補として噂されています。
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