グルメ
カレーひと晩寝かせる説は迷信? ホフディラン小宮山雄飛のこだわり
最近の「料理男子」が大事にするのは、節約でも贅沢でもなく「こだわり」。そんな「料理男子」におすすめなのがカレーです。ひと晩寝かせるとおいしくなると言われるカレーですが、ぱっと作ってぱっと食べる楽しみ方も。無類のカレー好きで知られるホフディランの小宮山雄飛さんは「インドにカレーはないように、そもそも、定義がない料理。無限のアレンジを楽しんで」とアドバイスします。
日清オイリオ『生活科学研究』レポートによると、2014年に日常的に調理すると答えた既婚男性は53%となり、5年間で8ポイントの増加を示しています。
「家事の分担」「自主的」「気が向いたら」など要因は多様化していますが、「よく作るメニュー」で、すべての年代に共通するのが「カレー」です。
20~60代のすべての年代で「カレー」が1位となっているのです。
その後には、「チャーハン」「ラーメン」がつづき、「パスタ」「肉・野菜炒め」などもランクイン。まさにステレオタイプの“おとこご飯”といった順位となっています。
「料理の悩み」として、「レパートリーが広がらない」が1位になっているのも、料理への関心が増えたらからこそ、かもしれません。
「調理のこだわり」でもっとも多かったのは、「味」と「材料」です。
「節約」と比較しても圧倒的に多く、“自炊=節約”という概念より、美味しさや健康を追求しているという結果となりました。
その一方で、「調理は短時間に効率的に行いたい」と答える人も半数を越える結果となり、「美味しく、効率的に」というのをお望みのようです。
「カレー」は手軽に調理ができるうえに、具材や味付けなど自由な発想でオリジナリティを出すことができるメニューの代表格です。
簡単に美味しく。でも、自分ならではの個性を出したい! そんな男性ならではのポリシーが反映されたのが、「カレー」と言えるでしょう。
ホフディランの小宮山雄飛さんは、1日1回はカレーを食し、年間200皿以上のカレーを作る芸能界屈指のカレー好きで知られています。雑誌で食のコラムを複数連載しているほか、NHKの「趣味の園芸 やさいの時間」でカレー講師としても活躍しています。
小宮山雄飛さんが先日出版した『カレー粉・スパイスではじめる 旨い!家カレー」(朝日新聞出版)では、定番の「チキンカレー」「キーマカレー」の作り方から、「ベーコンエッグキャベツカレー」「カレーホットサンド」「炒めるカレーチャーハン」などオリジナリティ溢れる43のレシピが掲載されています。
なぜ、ここまでカレーにこだわるのか。
「カレーは、レシピの骨組みがとってもシンプル。それがわかってくると、後は足し算引き算のようなもので自分なりのアレンジができるようになるんです。例えば、具材はチキンをビーフしたり、好きな野菜に変えてみたり、塩分の味付けも塩をしょうゆやソースに変えてみるなど……具材や発想を変えるだけで無限のアレンジが可能なんです」
小宮山さんが大事にしている基本をたったのふたつです。
この2ステップさえ抑えれば、あとはカレー粉かスパイスを投入し、お好みの具材を加え煮るだけです。
一方、「簡単に美味しく」を求める「料理男子」にとって気になるが、カレーに伝わる「ひと晩寝かせるとおいしい」問題です。
ところが小宮山さんは「迷信です(笑)」と言い切ります。
「カレーに限っては、スパイスの香りは時間が経つほど飛んでしまうので、やっぱり作りたてが一番美味しいと思います」
「カレーにこうであらねばという定義はありません。玉ねぎ1つとってみても大きさが違ったり、家庭によって火加減の条件も違います。“レシピを疑って”(笑)、自由に作っていただきたいですね」
ベーシックな作り方さえ抑えておけば、無限にレパートリーは広がるというカレー。動機は何であれ、料理の第一歩としては、最適なレシピかもしれません。
1/11枚