話題
ドアに小ドア? 新発想「失敗しないコインロッカー」 開発元に聞く
コインロッカーに荷物を入れて鍵をした後、スマホなど使う予定のものを中に入れたままだと気づき、改めてお金を払った経験はありませんか?
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コインロッカーに荷物を入れて鍵をした後、スマホなど使う予定のものを中に入れたままだと気づき、改めてお金を払った経験はありませんか?
コインロッカーに荷物を入れて鍵をした後、スマホなど使う予定のものを中に入れたままだと気づき、改めてお金を払った経験はありませんか? そんな失敗がなくなるコインロッカーがある、とネット上で話題になっています。扉の部分に、鍵穴付きの小さな扉がもう一つ付いていて、改めて料金を払うことなく小物を何度でも出し入れできるのです。その名も「サービスドア」。開発したメーカーに話を聞きました。
「サービスドア」を開発したのは、コインロッカーの製造・運営をしている日本自動保管機(本社・札幌市)です。昨年1月末に登場したサービスドアは、全国各地のプールやスキー場などに1500個ほど導入されています。
スキー場で滑っている間は携帯や財布を預けておき、休憩や食事のときに改めてお金を払うことなくそれらを出し入れできるため、好評だそうです。
6月末、サービスドアの利用者と思われる人がツイッターに画像を投稿すると、「すばらしいアイデア」「かゆいところに手が届く」「利用者の立場に立ったサービス」と話題になっています。
社長の松崎幹さん(66)によると、40年ほど前から商品化の構想はあったそうです。電気を使うデジタル式ではなくアナログな仕組みで作るには、シリンダー部分の構造が技術的に難しく、アイデアだけで製造に着手していませんでした。
それが2年ほど前、一定時間内なら何度でも出し入れできる他社製ロッカーが廃盤になった際、ユーザーから同じような製品がないか尋ねられ、当時のアイデアを実現しようと製作したそうです。
40年経っていたこともあり、技術的な面はクリアできました。閉め忘れを防ぐため、小窓はあえて斜めに設置。バネなどをつけていないため、解錠すると重力で開きっぱなしになるので、気づきやすくなるよう工夫されています。
「技術的な問題はクリアできましたが、実際に設置してからの試験が最大の難関でした」と松崎さんは話します。
自由に開け閉めできるため、鍵を持ち帰ってロッカーを私物化する人が出るのではないかという点を最も懸念していたのです。
スキー場にワンシーズン設置してテストしたところ、そうした使い方をした人は一人もいなかったため、商品化を決めたそうです。
使う側にとっては便利でも、この商品が導入されることで、何度も開け閉めしてその度にお金を払っていた人たちが減る分、売り上げが減るのではないでしょうか?
その点については「導入してみて最初の2カ月ほどは横ばいでしたが、3カ月ぐらいからは売り上げが伸びました。便利さを知ってもらったことで利用率がアップしたんです」と松崎さん。
現在、注文が相次いでいて製造が追いつかない状態です。夏場のプールなどへの導入が一段落し、次はスキー場向けで忙しくなりそうです。
松崎さんはこう話します。「私どもはコインロッカーの革命だと思っています。みなさまの理解を得られたので、全国にあるうちの会社のロッカーは随時サービスドアに置き換えていきたいと思います」
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