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バラハタ「全部が毒魚じゃない!」漁師がFBで訴え 気になる味は?
見分けるポイントがありました。
築地市場で4月、食中毒を引き起こす恐れがある「バラハタ」1匹が売られていたことから、東京都は注意喚起をする文書を出しました。しかし、沖縄・宮古島の漁師は「全てのバラハタが毒魚ではない」と、フェイスブックで名誉回復を訴えています。実際、沖縄では高級魚として食卓にのぼるバラハタ。その気になる味は。食べた人によると、「あぶらののったタイのような味」だとか……。
バラハタは主に南日本のサンゴ礁域に生息するハタ科の魚です。毒を持つエサを食べることで、シガテラ毒と呼ばれる毒を体内にため込むことがあり、食べた人に頭痛や下痢などの症状が起きるそうです。
築地市場でバラハタは、販売自粛の対象となっています。今回、体調不良の報告はありませんでしたが、ニュースになり、「バラハタ」=危険な魚というイメージが広がりました。
これに対し、沖縄・宮古島の漁師鈴木一司さん(39)は「全てのバラハタが毒魚ではない」と、フェイスブックで名誉回復を求めています。「いいね!」は3千件を超えました。
鈴木さんによると、毒におかされたバラハタは体表に黒い斑点が出ます。地元では、この斑点が入れ墨のように見えるため「ヤクザ」と呼び、競りに出さないため、流通するものは「安全」だと言います。
沖縄では、刺し身や煮つけとして食べられるというバラハタ。一体どんな味なのでしょうか? 約5年前に沖縄でとれたバラハタを刺し身で食べた生物ライターの平坂寛さん(30)は「絶品」と興奮気味に話します。「まるであぶらののったタイのような味」だそうです。
国立医薬品食品衛生研究所の大城直雅室長は「全てが毒魚ではない」と認める一方、「『ヤクザ』ではないものにも毒がある場合があるので注意は必要」と話しています。沖縄では4月、バラハタを食べた2人が食中毒になったという発表がありました。
沖縄県によると、自分で釣ったバラハタなどを調理して、シガテラの食中毒になる人は年間数人いるそうです。県は4月、シガテラ毒の原因や症状などをまとめたパンフレットを作成。バラハタについては、「体重が 2kg 以上、全長が約 48 ㎝以上になると、有毒率が高まる」と注意喚起をしています。
県の担当者は、「バラハタは沖縄の食文化でもあるので、科学的根拠なしに規制をすることはできない。それでも健康被害のリスクはあるので、パンフレットを作成した」と話します。
平坂さんは騒動について、「バラハタをかばいたい気持ちが強い」と話します。一方、築地市場には、安全か危険か特定できないものが流通する恐れがあり、都の自粛要請は「やむを得ない」とバラハタに申し訳なさそうに話しました。
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