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熊本地震のデマ、大手メディアも報道 イオン火災、ライオン逃走…

 震度7を記録した熊本地震で、「ショッピングモールが火事」「動物園からライオンが逃げた」といった誤情報がツイッターなどで拡散している。誤情報に引きずられて誤った報道をして、訂正に追われる大手メディアも出ている。誤情報を広めないようにするには、どうすればいいのだろうか。

熊本地震で発生した建物火災=14日午後11時29分、熊本県益城町
熊本地震で発生した建物火災=14日午後11時29分、熊本県益城町

目次

 震度7を記録した熊本地震で、「ショッピングモールが火事」「動物園からライオンが逃げた」といったデマがツイッターなどで拡散している。誤情報に引きずられて報道をし、訂正に追われる大手メディアも出ている。誤情報を広めないようにするには、どうすればいいのだろうか。

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「火事だ」→花火の画像か

 震源地に近い「イオンモール熊本」(熊本県嘉島町)で「火災が発生している」という誤情報が、写真とともに流れ始めたのは、地震から約1時間後の14日午後10時半ごろ。建物の上で、夜空に明るい炎のようなものが見える写真がツイッターに投稿され、一気に拡散した。

 しかし、これはデマだった。イオンモール熊本で火災は起きていない。イオンによると、余震に備えて15日の営業は中止したが、駐車場では食料品や日用品を販売している。投稿された写真の出どころは不明だが、ネット上では「花火大会の画像ではないか」と指摘が出ている。

 地震から一夜明けた15日夕の段階でも、ツイッターでは「クレアは無事です!火災じゃない!」(※「クレア」とはイオンモール熊本のこと)などと注意喚起をする投稿に混じって、「火事になったらしいね」と誤情報を信じて不安がる投稿が見られる。

 また、大手メディアも拡散を助長してしまった。フジテレビは14日午後11時ごろ、特別番組の中で「イオンモール熊本で火災が発生したという情報があります」とアナウンサーが説明し、同内容のテロップも表示した。

 これに対し、イオンが誤りであると指摘をし、約20分後にアナウンサーが番組内で訂正をした。フジテレビの広報担当者は「火災の情報があるとお伝えをしたが、結果的に間違えていた」。どのような情報をもとに報道したのかについては「取材に関することなので、お答えできない。状況が落ち着いたら報道内容を検証したい」という。



「ライオンが逃げ出した」→海外の写真

 また、地震から約30分後の午後10時ごろには、地震により「動物園からライオンが逃げ出した」という情報が拡散。交差点をライオンが歩いている写真も広まった。

 しかしこの写真は、地震発生前の14日午前11時半に、無関係の人が投稿した「ヨハネスブルグの写真」だった。投稿者はその後、「昼間に貼ったヨハネスブルグのライオンの画像をどっかのアホがデマに使った」と怒りの投稿をしている。

被害情報、拡散は慎重に

 ネット上の人間行動を研究する三浦麻子・関西学院大教授(社会心理学)は「愉快犯的にデマを流す人に説教をして、止めることは難しい」と指摘する。

 それよりも、ツイッターなどで流れるデマを、拡散させないよう利用者が工夫するべきだという。「テレビなどできちんと報道されているか確認して、デマを見抜く配慮をして欲しい。投稿は、家族に話すように気軽にしてしまいがちだが、ずっと影響力の大きいことだと自覚して使って欲しい」としている。


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