エンタメ
「あ、恋チュンだ!」3秒の発車音にプロの技 朝の秋葉原がザワザワ
秋葉原駅に「恋チュン」流れます――。首都圏に地下鉄9路線を抱える東京メトロが、発車メロディーにAKB48と乃木坂46の楽曲を使い始めました。おなじみの人気曲が、どう生まれ変わったのでしょうか。東京メトロなどから許可を得たメロディーもお届けします。
3月31日始発から、日比谷線・秋葉原駅で流すと発表があったのは、AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」(恋チュン)です。
午前5時すぎにホームに行くと、私のほかにも一目でメロディー待ちだと分かる男性がいました。毛がモコモコとした本格的な集音マイクを手にしています。
午前5時12分、待望の中目黒行き、始発列車が滑り込んできました。男性が集音マイクを伸ばして、高さ約3メートルの天井のスピーカーに押しあてます。
しかし・・・鳴りません。ブザーだけを鳴らし、列車が去っていきます。
午前5時17分、反対側のホームに、北千住行き列車が到着しました。
やっぱり鳴らない・・・・・。ホーム隅にいる作業服姿の2人が「鳴らないなあ」と、ざわついています。
結局、「恋チュン」発車メロディーが初めて流れたのは、次の午前5時24分発の中目黒行きが出発したときでした。
お披露目は少し遅れましたが、わずか3秒の中でも、すぐに「恋チュン」だと分かる印象深い旋律です。
東京メトロでは、昨年6~9月にホームページで、発車メロディーにして欲しい曲を募集しました。計1200曲、1万件を超える応募のうち、秋葉原駅へのリクエストが集中したのが、この「恋チュン」でした。
発車メロディーの制作を担当したのは、株式会社スイッチ(東京都中央区)です。同社は、JRや京急線などで多数の発車メロディを手がけてきたプロ中のプロ。
担当者は恋チュンについて「3秒という短い制限の中で、フェードアウト、メロディラインなどを意識した難しい制作でしたが、キャッチーなメロディなので助かりました」といいます。
音源提供:株式会社スイッチ
3月26日から、千代田線・乃木坂駅で流れ始めたのは、乃木坂46の「君の名は希望」です。
東京メトロへの1万件超の応募のうち、1曲だけで6400件を独占しました。「恋チュン」をおさえて得票数トップに輝いたのが、この曲でした。
感謝の意を込めて、乃木坂46メンバーの生田絵梨花さんがピアノを演奏。その音色が、発車メロディーになりました。
生田絵梨花さんは、公式サイトで「私が弾いたピアノの音が、発車メロディーとして起用して頂く事は不思議な感覚で、『乃木坂』駅を一緒に作れたような、そんな感じがします」と喜びをコメントしています。
録音に行った際、驚いたのが乃木坂駅の「乃木坂まみれ」ぶりでした。
構内では4月10日まで、乃木坂46のメンバーを写した大型パネルを、38枚も展示しています。さらに柱や壁には、最新シングルの宣伝ポスターが貼られています。パネルの前で記念撮影をしている人もいました。
東京メトロは「路線や駅に、愛着や親しみを持っていただける取り組みを、引き続き行っていきます」としています。
1/39枚