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「ネーミングライツ」教室登場 地方公立大の奇策に、企業が次々寄付
全授業を英語で行い、全学生に海外留学を義務づけている、秋田市の「国際教養大学」。ついに企業に命名権を買ってもらう「ネーミングライツ教室」が登場しました。
![キッコーマンの社名が冠された国際教養大学のIT教室](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/storage.withnews.jp/2016/02/18/3/e7/3e7cda2d-l.jpg)
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全授業を英語で行い、全学生に海外留学を義務づけている、秋田市の「国際教養大学」。ついに企業に命名権を買ってもらう「ネーミングライツ教室」が登場しました。
全授業を英語で行い、全学生に海外留学を義務づけている、秋田市の公立大学法人「国際教養大学」。本格的なグローバル教育を受けた学生に、多くの企業から熱い視線が注がれています。そんな中、ついに企業に命名権を買ってもらう「ネーミングライツ教室」が登場しました。
キッコーマンIT教室・三菱マテリアル教室・秋田ゼロックス教室…。国際教養大学の講義棟には、そんな7社の企業名を冠したプレートがずらり。300人の収容能力があるレクチャーホールは、神戸製鋼の愛称「コベルコ」から「コベルコホール」と呼ばれています。
2004年に開学した同大学。開学10周年記念事業として、企業に寄付金を募っていて、これに一定額応じた企業に教室の命名権が与えられる仕組みです。
「こうした取り組みは全国の大学でも私どもだけではないでしょうか」。そう話すのは、同大学の記念事業担当でキャリア開発センター長の三栗谷俊明さん。「公立大と言えども自主財源の確保が求められる時代。知恵を出し合い、県とも話し合いを進めた結果、こういう形で寄付金を集められるのではないかと考えました」
教室の入り口にプレートが取り付けられたのは、昨年の秋学期が始まった9月のこと。学生の驚きも大きく、一部からは抵抗を感じるとの声もあったそうです。ただ、プレートは「素材の力で未来を拓く」(古河電気工業)、「人と社会と地球のために」(三菱マテリアル)といったように、企業名だけが目立つことがないよう、各企業の理念も盛り込むような工夫をしました。
企業側としてはどのような狙いがあるのでしょうか。
キッコーマンの担当者は「こうしたプレートをきっかけに弊社の活動に少しでも興味を持ってもらえたら」と話していました。
大学による教室のネーミングライツの取り組みについて、文部科学省の公立大・私立大の担当者は「ほかに聞いたことがない事例」としています。
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