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菊池桃子さん、国民会議の発言に共感の声「排除するものつくらない」

菊池桃子さんの「1億総活躍国民会議」での発言が、ネット上で共感を呼んでいます。「排除される人をつくらない社会」を訴えています。

1億総活躍国民会議を終え、報道陣の質問に答える菊池桃子さん=2015年11月
1億総活躍国民会議を終え、報道陣の質問に答える菊池桃子さん=2015年11月 出典: 朝日新聞

目次

 菊池桃子さんの「1億総活躍国民会議」での発言が、ネット上で共感を呼んでいます。障がいのある長女を育てながら感じた社会への疑問から、「排除される人をつくらない社会」を訴えています。ツイッターには「見事なキャリアチェンジ」「この姿勢こそが有識者」「彼女を呼んだ人、GJ」などのメッセージが投稿されています。

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「排除される人をつくらない」

 「1億総活躍国民会議」のメンバーに起用された菊池桃子さんが提案したのが、「排除される人をつくらない社会」でした。

 この提案について取り上げた朝日新聞の記事はフェイスブックで8千をこえるシェアを集め、記事をリツイートした乙武洋匡のツイートにも600をこえる「いいね」がつきました。


大学院に入り客員教授に

 1968年生まれの菊池さん。1984年に映画「パンツの穴」の主演でデビューをします。「青春のいじわる」など歌手としても活躍。1988年にはロックバンド「ラ・ムー」を結成しています。

 出産を経て、2009年に法政大学大学院に入学し、2012年に修士課程修了。その後、戸板女子短期大学の客員教授になり、キャリア教育の講義を担当しています。

デビュー当時の菊池桃子さん=1985年5月
デビュー当時の菊池桃子さん=1985年5月 出典: 朝日新聞
きくち・ももこ 女優・歌手 1968年5月4日 東京都品川区生まれ/84年 映画「パンツの穴」の主演でデビュー、その後「青春のいじわる」で歌手デビュー/87年日出女子学園卒業/88年 ロックバンド「ラ・ムー」結成
1992年5月5日:菊池桃子さん<略歴> :アエラから
2009年に法政大学大学院に入学、12年に修士課程修了。その後、戸板女子短期大学の客員教授になり、キャリア教育の講義を担当。昨年12月、手記「午後には陽のあたる場所」(扶桑社)を出版した。
菊池桃子さん、1億総活躍で注目 「多様性への理解を」

「この表現のために…」見直し訴えた一文

 菊池さんは、2015年11月、国民会議の2回目の会合で、問題提起をします。

 学校の受験や企業の採用資格に記載される「心身ともに健全な者」の一文について「人々の前向きな意欲をそぐ慣例」「この表現のために、受験や採用試験を諦める方が多い現実がある」として見直しを訴えたのです。

 菊池さんの提案は、政府の緊急政策にも盛り込まれました。

1億総活躍国民会議に臨む(右手前から)樋口美雄委員、白河桃子委員、榊原定征委員、菊池桃子委員、三村明夫委員、大日方邦子委員、対馬徳昭委員、飯島勝矢委員、松為信雄委員=2015年11月12日、首相官邸、飯塚晋一撮影
1億総活躍国民会議に臨む(右手前から)樋口美雄委員、白河桃子委員、榊原定征委員、菊池桃子委員、三村明夫委員、大日方邦子委員、対馬徳昭委員、飯島勝矢委員、松為信雄委員=2015年11月12日、首相官邸、飯塚晋一撮影 出典: 朝日新聞
昨年11月、国民会議の2回目の会合では、学校の受験や企業の採用資格に記載される「心身ともに健全な者」の一文に言及。「人々の前向きな意欲をそぐ慣例」「この表現のために、受験や採用試験を諦める方が多い現実がある」として見直しを提案し、政府の緊急政策にも盛り込まれた。
菊池桃子さん、1億総活躍で注目 「多様性への理解を」

首相前に「意味がわかりづらい」

 菊池さんは、安倍晋三首相らを前に「1億総活躍」という言葉についても、疑問をぶつけました。

 2015年10月の国民会議の初会合。「意味がわかりづらい、という声をよく耳にします」と切り出した菊池さんは、その意味を補う言葉として「ソーシャル・インクルージョン(社会的包摂)」という言葉を提案しました。

 菊池さんは、乳児期に脳梗塞(こうそく)を患って左手足にまひが残る長女と生きる中で、この言葉を幾度もかみ締めてきたそうです。

 菊池さんは朝日新聞の記事で、次のように述べています。

 「小学校を探していた時は、近くの特別支援学校に『教科書相当の知識が身につくか約束できない』『家庭教師をつけては』と言われた。将来に夢を抱く子どもたちに義務教育も担保できないのか。それで本当に義務教育と呼べるのかと、疑問がわきました」

1億総活躍国民会議を終え、報道陣の質問に答える菊池桃子さん=2015年11月26日
1億総活躍国民会議を終え、報道陣の質問に答える菊池桃子さん=2015年11月26日 出典: 朝日新聞
「1億総活躍という言葉についてですが」。昨年10月の国民会議の初会合。「民間議員」として参加した菊池さんは安倍晋三首相らを前に「意味がわかりづらい、という声をよく耳にします」と切り出した。その意味を補う言葉として提案したのが「ソーシャル・インクルージョン(社会的包摂)」という言葉だ。
菊池桃子さん、1億総活躍で注目 「多様性への理解を」
欧州では「社会から排除するものをつくらない」理念として、労働や福祉、教育などの分野で幅広く使われるが、日本では聞き慣れない。だが、菊池さんは、乳児期に脳梗塞(こうそく)を患って左手足にまひが残る長女と生きる中で、この言葉を幾度もかみ締めてきた。
菊池桃子さん、1億総活躍で注目 「多様性への理解を」
「小学校を探していた時は、近くの特別支援学校に『教科書相当の知識が身につくか約束できない』『家庭教師をつけては』と言われた。将来に夢を抱く子どもたちに義務教育も担保できないのか。それで本当に義務教育と呼べるのかと、疑問がわきました」。取材に対し、こう振り返った。
菊池桃子さん、1億総活躍で注目 「多様性への理解を」

「短期的な取り組みになるなら怒り」

 菊池さんの活動は、ネット上で大きな注目を集めました。

「この見識、この発言内容、この姿勢こそが有識者」
「見事なキャリアチェンジ。それを社会に還元しようとしている姿に感銘」
「悔しい思いもしてきたから出来る発言だと思う」

 ツイッターでは、菊池さんのメッセーに称賛の声が相次ぎました。

 国民会議は政権の参院選向けの対策との見方もあり、「選挙が終われば1億総活躍の政策議論も終わり」(官邸幹部)との指摘も出ています。

 菊池さんは朝日新聞の記事で「短期的な取り組みになるなら怒りを感じずにいられません。人口問題に向き合うための会議なのだから、長期的に解決に向かうまで続けてほしい」と話しています。

1億総活躍国民会議であいさつする安倍晋三首相(右)。左は手前から白河桃子氏、高橋進氏、大日方邦子氏、榊原定征氏、菊池桃子氏、三村明夫氏、宮本みち子氏、工藤啓氏、松本理寿輝氏=2015年11月26日、首相官邸、飯塚晋一撮影
1億総活躍国民会議であいさつする安倍晋三首相(右)。左は手前から白河桃子氏、高橋進氏、大日方邦子氏、榊原定征氏、菊池桃子氏、三村明夫氏、宮本みち子氏、工藤啓氏、松本理寿輝氏=2015年11月26日、首相官邸、飯塚晋一撮影 出典: 朝日新聞
国民会議は政権の参院選向けの対策との見方もあり、「選挙が終われば1億総活躍の政策議論も終わり」(官邸幹部)との指摘も出ている。菊池さんは「短期的な取り組みになるなら怒りを感じずにいられません。人口問題に向き合うための会議なのだから、長期的に解決に向かうまで続けてほしい」と話す。
菊池桃子さん、1億総活躍で注目 「多様性への理解を」

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