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ランドセル寄贈のタイガーマスク「疲れた…」→後継者が登場 岡山
岡山市の児童養護施設の団体に今月、匿名の人物からランドセル10個が届きました。関係者は「善意が連鎖した」と喜んでいます。
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岡山市の児童養護施設の団体に今月、匿名の人物からランドセル10個が届きました。関係者は「善意が連鎖した」と喜んでいます。
岡山市の児童養護施設の協議会に今月、匿名の人物からランドセル10個が届きました。「にゅうがくおめでとう!」の手紙も。実は岡山では2011年以降、5年連続で「タイガーマスク」を名乗る匿名の人物からランドセルの寄付がありましたが、今年は〝ある事情〟で寄付がないのではと心配されていました。そんな中で登場した今回の送り主。これまでのタイガーマスクの善意に感銘を受けた別人物と見られ、関係者は「善意が連鎖した」と喜んでいます。
岡山市北区の県児童養護施設等協議会に12日、黒とピンクの真新しいランドセル計10個が届きました。匿名の贈り主は、添付した手紙にランドセルを寄付したきっかけを記していました。「五年もお心のこもったプレゼントを続けられたタイガーマスクさんの記事を拝見しささやかですがランドセルを贈らせていただきます」。
子どもたちにもこんなメッセージ。「げんきないちねんせいになってください。にゅうがくおめでとう!」
同協議会などによると、今回の送り主は昨年末に市内のスーパーを訪れ、「自分も支援したい」と申し出たそうです。その際に店側に見せたのが、手紙にもあった「タイガーマスクさんの記事」でした。
実はこの記事、昨年1月16日付の朝日新聞岡山版に掲載された記事でした。
いつものタイガーマスクの寄付活動を伝える記事のように思えます。でもこの年、いつもとは違うことがありました。
記事は最後にこう書いています。
こうした思わぬ「告白」があったため、今年は寄贈がない可能性も考えられたのです。しかし、「次のタイガーマスク」は現れました。協議会の松田浩一郎会長は「善意の連鎖により、子どもたちが多くの方に見守られながら立派に成長していくことを願っています」と話しています。
実は昨年1月の記事を書いたのは、当時岡山総局に勤務していた筆者(長谷川)。「ランドセルが届いた」とのお知らせがあり、市こども総合相談所に向かいました。取材を終えて帰ろうとしたところ、「少し読んでもらいたいものが…」と総務課長の出原さん。それは「記者の方へ」と書かれた手紙でした。「身心つかれています。次のタイガーマスクをさがして下さい」(原文ママ)。
「記者の方へ」と書かれていたので、この内容を記事に盛り込んでもよいものか少し悩みましたが、まずはタイガーマスクの「SOS」を広く伝えなければいけないと思い、記事末尾で触れることにしたのです。この記事が今回の贈り主に届き、本当によかったと思っています。
出原さんは「ランドセルの寄贈を考えてくれている人が、タイガーマスクのほかにもいたということはとてもありがたいことですし、びっくりもしています」。ただ、こうしたランドセル寄贈は匿名の世界の話。「本当に別人なの?」と思われる方もいるかもしれません。しかし、タイガーマスクが今まで市内のある百貨店でランドセルを購入してきたのに対し、今回の贈り主は市内のスーパーで購入。手紙の筆跡もそれぞれ違います。やはり別人なのでしょう。
今回の贈り主に対して、出原さんはこう言います。「ご本人があまりプレッシャーを感じない程度で、ご自分のペースでこれからも子どもたちを支援して頂けるとうれしい」
最後になりましたが、慈善活動を5年間続けた岡山のタイガーマスクさん、本当にお疲れ様でした。
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