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カレンダー「2017年問題」大安が仏滅に? ブライダル業界大慌て

2017年の旧暦2月はいつから始まるか――。実はカレンダーによって来年の「2月26日」と「2月27日」の2通りに分かれています。なぜでしょう?

若者の間でも「仏滅」の婚礼を避けるケースが多いという
若者の間でも「仏滅」の婚礼を避けるケースが多いという 出典: pixta

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 2017年の旧暦2月はいつから始まるか――。実はカレンダーによって来年の「2月26日」と「2月27日」に分かれています。いずれの立場を取るかによって、来年3月に六曜の「大安」と「仏滅」が入れ替わる週末もあり、ブライダル業界などが対応に追われています。なぜ、このように見解が分かれてしまうのでしょうか。

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結婚式場「2つのカレンダーで説明」

 「私どもの方では2パターンのカレンダーをお客様にお示しし、ご希望を聞くようにしています」。そう話すのは、愛知県岡崎市の結婚式場「ザ・グランドティアラ岡崎」の兵藤樹也支配人。ホームページでも「六輝(六曜)についての大切なお知らせ」を掲示し、2通りの六曜があることを詳しく解説しました。「今でも若い人たちの間で『仏滅だけは避けたい』との声は多いです。ですから特に注意してもらっています」

若者の間でも「仏滅」の婚礼を避けるケースが多いという
若者の間でも「仏滅」の婚礼を避けるケースが多いという 出典:pixta

ずれ生じた意外な理由

 そもそも六曜とは、旧暦の1日を起点に先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口を当てはめたもの。どの月始めにどの六曜が当てられるかはあらかじめ決まっていて、以降、上の順に配当されていきます。例えば旧暦の2月1日は「友引」。翌日は「先負」となります。六曜を配当するにあたっての「基準日」とも言えるのが旧暦の1日なのです。

 旧暦の日付は月の満ち欠けと連動していて、地球と太陽の中間に月が位置する「新月」の日が旧暦の1日。17年は1月に旧暦の正月を迎えることが分かっているので、2月の新月になる日が旧暦2月1日となるのですが、なぜカレンダーによってずれが生じているのでしょうか。

 それは新月になる時間にありました。国立天文台天文情報センターによると、現時点での計算では、2月に新月を迎える時間は何と「26日午後11時58分」。これを「26日に旧暦2月1日を迎える」と見なすかどうかで六曜の配当が異なっていたわけです。

 26日を旧暦1日と考えた場合、六曜は3月12日(日)・18日(土)は「仏滅」、19日(日)・25日(土)は「大安」に。しかし27日説をとると、12日・18日は「先負」、19日・25日は「仏滅」となります。

神社からも問い合わせ

 全国534の婚礼施設、婚礼関連の専門学校などで構成している公益社団法人「日本ブライダル文化振興協会」には、複数の施設からこの期間の六曜を確認する相談が寄せられています。担当者は「ブライダル業者の方としては2通りの暦をお示しすることしか現段階ではできない。毎年2月の最初の官報で、国立天文台から翌年の暦要項(れきようこう)が発表されるので、新月の日を正確に確認できるのはその時となります」と話しています。

 ただ、あくまでも旧暦は日本では廃止されているもの。現在は国など公的機関のお墨付きを得た公式な旧暦は発行されていません。協会の担当者は「どちらの解釈が正しいというわけではありません」と強調していました。

旧暦・六曜に公式なものはない
旧暦・六曜に公式なものはない 出典:pixta

 国立天文台やカレンダーの専門業者・関連団体などでつくる一般社団法人「日本カレンダー暦文化振興協会」(暦文協)事務局の松原順さんも「暦文協では独自の暦計算で26日を旧暦2月1日とします。ただ、明石を基準とするか京都を基準とするかなど、暦には色々な解釈はありうる」と説明。松原さんによると、協会にはブライダル業者以外に神社関係者からも問い合わせが来ているそうです。

 ちなみに、国立天文台天文情報センターの担当者は来年2月の新月の時間について、「うるう秒が入る可能性がないわけではないが、想定の時刻から1~2分以上遅れることはまずないと思う」と話しています。

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