お金と仕事
段ボール製チェックイン機の「強度」 格安航空ピーチのこだわり
格安航空会社のピーチが導入した段ボール製のチェックイン機。強度に問題はないのでしょうか? 段ボールチェックイン機に込めた新規参入組としてのこだわりとは?
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格安航空会社のピーチが導入した段ボール製のチェックイン機。強度に問題はないのでしょうか? 段ボールチェックイン機に込めた新規参入組としてのこだわりとは?
お正月の帰省で助かるのが格安航空会社(LCC)。日本初のLCCであるピーチ・アビエーションが導入した段ボール製のチェックイン機は、コストを意識した斬新な試みとして注目を集めました。金属製のどっしりしたイメージのチェックイン機と比べて、強度に問題はないのでしょうか? 段ボール製チェックイン機に込められた、新規参入組としてのこだわりとは?
2012年、日本初のLCCとして就航した「ピーチ・アビエーション」は、従来型のチェックイン機も木製で、元々コスト削減を図っていました。
ただ、高さが約120センチで、空港内で見つけにくいという課題があり、情報量が多い大型モニターも付けることに。開発を担当したイノベーション統括部長の前野純さんは「モニターが大きくなったのでコストも上がる、とは言いたくなかった」と話します。
そこで大阪市の建築デザイン事務所「屋根裏設計」と一緒に開発したのが段ボール製チェックイン機でした。
段ボールは、一般向けに売られている中で最も強度の高いものを使用しています。モニターがグラグラしないように、専門業者らの助言を受けて内部の段ボールの組み方を工夫。組み立て時間は約30分です。
新型機の高さは約190センチあります。同じ大きさのチェックイン機に比べ、製造コストは5分の1で済むそうです。機能を上げても、従来機とほぼ同じに抑えました。新たな空港に就航しても、運搬や設置が自社ででき、安上がりになるそうです。
段ボール製のメリットは他にもあります。
ピーチのイメージカラーは鮮やかな赤紫の「フューシャ」。「ピンク」でも「紫」でもない色です。この特殊な色も段ボールなら簡単に、安く印刷できます。
唯一の悩みは、段ボール製が珍しくて乗客が盛んに触るためか、前部の縁の印刷がはがれつつあること。「耐久性は検証中。問題があれば、スピード感をもって解決します」(前野さん)。
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