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クールジャパンの盲点? ロリータファッション、海外でブーム
日本で独自の進化を遂げたロリータファッションが、海外でもファンを増やしています。クールジャパン戦略にとっても見逃せない存在になりそうです。
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日本で独自の進化を遂げたロリータファッションが、海外でもファンを増やしています。クールジャパン戦略にとっても見逃せない存在になりそうです。
日本で独自の進化を遂げたロリータファッションが、海外でもファンを増やしています。イギリスでは、日本で活躍するロリータファションのカリスマが講演。来年には渋谷で「ロリータ国際会議」も計画中です。海外に熱烈なファンがいるのに情報が少ないロリータファッション。クールジャパン戦略にとっても見逃せない存在になりそうです。
ロリータファッションは、白やピンクのフリル、レースがついた女の子らしい装飾を強調した服装を指します。「お茶会」と呼ばれる集まりを開いて、ロリータファッションで着飾った女子たちが集まることも少なくありません。服装にとどまらず、共通の価値観そのものを意味する場合もあります。
服のデザインは、ヨーロッパのバロックやヴィクトリア調を土台にしながら、日本独自の進化を遂げています。あえて幼い子どものような雰囲気を楽しむなど「お姫様」のような世界観が、アニメや漫画の影響を受けながら発展してきました。
そんなロリータファッションですが、最近、海外でもファンが増えています。2014年9月にはイギリスで日本のロリータ式の「お茶会」が開かれ、ゲストに璃月愛(あきづき・あい)さんが招待されました。
当日、英語でスピーチした璃月さんは「直接、語りかけることができて、同じロリータファッションの愛好家として共感してもらえた。外見が目立つことで孤立するなど同じ経験をしている人が多く、そんな悩みも含めて語り合えたのが、うれしかった」と振り返ります。
日本独自の文化であるロリータファッション。海外のファンにとって、情報が少ないことが大きな悩みになっています。そのため、フェイスブックなどで盛んに交流し、情報交換をしたり、活動を報告し合っています。
ブラジルには5000人規模のフェイスブックのグループがあるほか、ヨーロッパにも500人規模のコミュニティがいくつかあると言われています。海外のファンが服や小物を手に入れるためには通販を利用するしかなく、言葉の壁や値段が高いことがネックになっています。
一方、限られた情報の中で熱心なファンが育っているのは、有望な市場になる可能性もあります。ロリータファッションのブランド「BABY,THE STARS SHINE BRIGHT(ベイビー、ザ スターズ シャイン ブライト)」は、サイト内に英語と中国語の表記を用意。「Angelic Pretty」はアメリカ・サンフランシスコに出店もしています。
海外の愛好家のための活動を始める動きもあります。璃月さんらも参加するロリータ企画集団「Ailize」は、ネット上でロリータファッションに関する情報を発信。服や小物の通販なども計画しています。
手始めに璃月さんは、日々の活動を日本語と英語の二カ国語でフェイスブックなどを通じて発信しています。日本でしか開かれないファッションブランドのイベントの様子などを英訳。フェイスブックのコメントには、璃月さんのファッションや、イベントの様子について、熱心なファンのコメントがついています。
活動の一環として、1月9日にロリータファッションのスナップ集を電子書籍で発売。スナップ集発売を記念したお茶会を1月16日に東京・渋谷で企画しています。
「Ailize」のメンバー、山本愛佑子さんは「欲しいグッズがあっても、海外からだとハードルが高いのが現状。通販などを充実させて、世界のロリータファッションの仲間の役立つサービスを作りたい」と話します。
同じくメンバーでロリータファッションをテーマに修士論文を書いた宇賀神裕太郎さんは「クールジャパン戦略を考える上でも、日本に関心がありながら、海外に情報が行き届いていないロリータファッションは重要な存在。ネットを活用して世界で同時に開くイベントも企画していきたい」と話しています。
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