IT・科学
ドローンの正しい使い方「イメージ悪化の今こそ」防災のため空撮拠点
無人飛行機(ドローン)を使った防災マップ作りを進めるプロジェクト「DRONE BIRD」が進んでいます。
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無人飛行機(ドローン)を使った防災マップ作りを進めるプロジェクト「DRONE BIRD」が進んでいます。
無人飛行機(ドローン)を使った防災マップ(クライシスマッピング)作りを進めるプロジェクト「DRONE BIRD」が進んでいます。震災などの災害が発生したら、ドローンを飛ばして現場を撮影し、ウェブ上にアップして被害状況を発信。そのための拠点作りや、ドローンを安全に飛ばすための操縦士を増やすというもの。クラウドファンディング「READYFOR」で資金4千万円を募っています。
クライシスマッピングは、大災害が起きた時、現地の被害状況を地図上に表示させ、リアルタイムに共有できるようにする取り組みです。現地の住民がツイッターなどで発信する情報をはじめ、自治体や電力会社、鉄道会社などの情報などがウェブ上に公開された地図で把握できます。
エンジニアなどIT技術の専門家がボランティアで参加することが多く、救助や支援がスムーズに進む手助けをします。誰でも編集できる「オープンストリートマップ(OSM)」などの地図サービスを活用し、東日本大震災のような大規模災害時には、通行できない道路の情報や、停電の状況を発信しています。
「DRONE BIRD」では、災害発生直後に人が入れない場所の状況を詳細に撮影し、素早くネット上のアップすることを目指します。
ドローンを飛ばすための拠点を全国に約10ヶ所設置し、ドローンを安全に飛ばすための操縦士も育てていきます。
今回のクラウドファンディングでは、計画の第一弾として相模原と、伊豆大島の2ヶ所に基地を設置するための費用を募集しています。
ドローンをめぐっては、首相官邸への侵入事件や、祭り会場での落下事件などがあり、日本では規制を強める流れがありました。
国土交通省は11月、有人機が飛行する高さ150メートル以上の空域や、人口密度が1平方キロメートルあたり4千人以上の「人口集中地区」上空は、原則として飛行禁止とする省令を公布しました。東京23区や地方の主な都市では、国交省の許可を求められます。
一方で、人命救助などへの活用を模索する動きも出ています。スマホの位置情報を活用した人命救助の無料アプリ「Heart Rescue」を使い、ドローンで医療器具を運ぶ研究も進んでいます。
「DRONE BIRD」を企画した1人、青山学院大学教授の古橋大地さん(空間情報)は「残念なことに昨今のニュースによりドローンのイメージが下がり、危機感を感じています。ドローンの正しい使い方の一つを提示し、日本の防災力の底上げになるようなムーブメントにしていきたい」とプロジェクトの狙いを語ります。
目標の金額は4千万円と高額ですが「高価な機材と、ドローンバード基地と呼ばれる拠点づくりで高額にならざるを得なかった」と古橋さん。「今、このタイミングだからこそ、日本全国での活動展開を考えながら、多方面からご支援いただけるよう、ドローンのイメージ回復と合わせて取り組んでいきたい」と話しています。
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