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アラサー女子が夢中「ポーリーポケット」復刻版発売、その魅力とは?
1990年代に大流行した、コンパクト型ドールハウス「ポーリーポケット」。復刻版を付録にした本が宝島社から発売され、アラサー女子の話題をよんでいます。
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1990年代に大流行した、コンパクト型ドールハウス「ポーリーポケット」。復刻版を付録にした本が宝島社から発売され、アラサー女子の話題をよんでいます。
1990年代に大流行したコンパクト型ドールハウス「ポーリーポケット」が、アラサー女子に人気です。子どものころに遊んだ「キラキラ」「ファンシー」なグッズが、大人になった今も忘れられないようです。復刻版は、大人用に少し落ち着いた色使いにするなど工夫が施されています。ツイッターでの口コミも広がり、「ポーリーポケット」に目覚める人がじわじわと増えています。
「ポーリーポケット」は、1990年代に大流行したコンパクト型ドールハウスです。30歳前後の女性なら、子どもの頃に遊んだことがある方が多いのではないでしょうか。
元々はイギリスのブルーバード社が1989年に発売したおもちゃですが、バービー人形で知られるアメリカのマテル社が1998年にライセンスを取得、日本でもマテル社の日本法人によって販売され、人気を集めました。
2000年代前半には当初の形での販売が終了してしまいましたが、10月27日に復刻版のポーリーポケットを付録にした「Polly Pocket Dreamy Book」(宝島社)が発売され、「懐かしい」「可愛い」と話題をよんでいます。YouTuberのくまみきさんが付録を開封する動画もアップされました。
本には1997年までのビンテージのポーリーポケットおよそ100点の写真と解説が掲載され、ページをめくると夢中で遊んだ子どもの頃に一瞬で引き戻されます。
いまなぜポーリーポケットが復刻したのでしょうか。宝島社の担当編集者、船津麻子さん(34)によると、カバヤ食品のペンダント入り食品玩具「セボンスター」の35周年記念ムックを2014年に発売したところ、「ぜひポーリーポケットの本も作ってほしい」という声が寄せられたことがきっかけだそうです。
船津さんは「セーラームーンに代表されるように、アラサー女子が子どもの頃に親しんでいたカルチャーのリバイバルが人気を得ています。10代から20代前半にも、80年代から90年代のファッションやカルチャーが逆に新鮮にうつるようで、原宿にはビンテージのおもちゃの専門店もあるそうです」と話します。
復刻版の元となっているのは、1993年に発売された「Ballerina Polly」という、バレリーナのステージをモチーフにしたモデルです。元はピンク系ですが、復刻版は白を基調としたカラーリングで、少し大人っぽい印象。型から宝島社で製作し、マテル社の本国のスタッフからのアドバイスも受けて色を何度も調整したそうです。付属のドールを乗せた足場が回る仕掛けも、再現してあります。
これほど複雑なおもちゃを作るのは、宝島社の媒体史上初めてのこと。「付録が完成するまでが大変で、企画から発売までに1年以上かかりました。楽しみに待って下さっている方のためにも早く出したかったのですが、発売日を何度か延期せざるを得ませんでした」と船津さん。
実は船津さん自身も、幼い頃に妹さんと一緒にポーリーポケットで遊んでいた世代。なんと20個くらいコレクションしていたそうです。
ターゲットがTwitterをよく使う年齢層なので、発売前から積極的にTwitterで告知。「ポーリーポケット」で検索すると、本を買ったTwitterユーザーの「実家で見つけたポーリーポケットと一緒に撮影した」「私の幼少期が全て詰まっていると言っても過言ではない」など、熱烈なツイートが並んでいます。
「アラサー女子には、心のどこかにポーリーポケットがしまわれているはず。今回の本と付録で、ポーリーポケットで遊んでいた頃の、わくわくする気持ちを思い出してほしいです」と船津さんは言います。
ポーリーポケットのムック本買えた\(^o^)/
可愛くて満足♡
実家に置いてあるコレクションと並べたい( ¨̮ )
コンパクト型だけじゃなくて、お家型のとか、磁石で動くのも綺麗にとってあるのだ。
可愛くて、大好きだったなあ…*. pic.twitter.com/3dKj4VJlwe
— nikesan (@oji29bees) 2015, 10月 27
今回の「Polly Pocket Dreamy Book」に掲載されているコレクションは、水上昇真さん(54)という、ポーリーポケット専門サイトを運営されている方のもの。本職は曹洞宗の僧侶で、都内のお寺で副住職をつとめています。ポーリーポケットとお寺とは、意外な組み合わせです。
水上さんがポーリーポケットと出会ったのは、2000年のこと。5歳を迎えた娘さんをおもちゃ屋さんに連れて行き「好きなおもちゃを選んでいいよ」と言ったところ、選んだのがブック型のポーリーポケットでした。娘さんが夢中になって遊ぶのを見て、水上さんはインターネットのオークションなどでポーリーポケットを探し集めるようになります。
やがて娘さんが大きくなり、ポーリーポケットで遊ぶことはなくなりましたが、その頃には水上さん自身がポーリーポケットの魅力にはまっていました。「Polly Pocket Dreamy Book」に掲載されているのはコレクションのごく一部。正確な数はわかりませんが、300点以上は持っているのではないかということです。
「昔は子どものために探している親御さんが多かったのですが、今は子どもの頃に遊んでいた方からの問い合わせが増えています。ポーリーポケットを探している方が自分の娘と重なるので、なるべく安く譲ってあげたいと思っています」
水上さんにとってポーリーポケットとは何なのでしょうか。「やっぱり、娘との絆でしょうか。男親だと、なかなか娘と一緒に何かをして楽しむというのは難しいんですよね……。でもポーリーポケットが、会話のきっかけになっていた。喜んで遊んでいる娘の姿を見ながら、自分も同じ気持ちになっていたんです。ポーリーポケットは、娘の分身みたいなものかもしれません」
実はポーリーポケットは1983年、クリス・ウィッグスさんが、娘のケイトのために、化粧用のコンパクトを再利用して作った小さなドールハウスが始まりだそう。いまも昔も、子どものことを喜ばせたいという気持ちが、様々なおもちゃを子どもに届けてくれているのでしょう。
アラサー女子のみなさん、復刻版のポーリーポケットで少女だった頃の気持ちを思い出したら、子どもだった自分にポーリーポケットをプレゼントしてくれた人たちにも、思いをはせてみてはいかがでしょうか。
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