MENU CLOSE

お金と仕事

35573

長澤まさみ、百田夏菜子も応援 静岡県民が愛するハンバーグ店の秘密

長澤まさみさん、百田夏菜子さんなど静岡県出身の有名人たちがファンを公言する「レストランさわやか」。その人気の秘密とは?

長澤まさみさん、百田夏菜子さんがファンを公言する炭焼きレストランさわやか
長澤まさみさん、百田夏菜子さんがファンを公言する炭焼きレストランさわやか

目次

 長澤まさみさん、「ももいろクローバーZ」の百田夏菜子さんなど静岡県出身の有名人たちがファンを公言する「げんこつハンバーグの炭焼きレストランさわやか」。店舗は静岡県内のみで、主力商品をハンバーグに限定。それでも、外食産業が厳しい中で売り上げを伸ばし、今年度は前年度比10%増の見通しだという。創業者の富田重之社長(78)へのインタビューから外食産業の中で生き残る秘密を探った。


全国での知名度、きっかけは長澤まさみさん

 「さわやか」の名前を全国に広めた一つのきっかけは、長澤まさみさんだ。2007年5月、アイドルグループ「TOKIO」と共演の全国ネットのテレビで、げんこつハンバーグが一番おいしく、さわやかになって帰れると紹介した。翌年は売り上げが10%増えた。社内では「天使からのラブコール」と呼んでいるという。

 ほかの有名人にもファンが多く、浜松市出身の百田夏菜子さんも子どものころからのファンだという。最近では、今年の7月31日、8月1日、エコパスタジアムで開催された「ももいろクローバーZ」のコンサートの開演前に、百田さんたちがさわやかを訪れた映像を会場で放映した。コンサートの座席券でドリンク無料にしたこともあり、全28店舗にファンが訪れた。


客の目の前で仕上げるのがさわやか流

 さわやかの主力商品は牛肉100%の炭焼きハンバーグ。ハンバーグに用いる牛肉は年間950㌧に上る。現在、静岡県西部を中心に28店舗を展開している。

 客が紙ナプキンを持ち、店員が客の目の前でハンバーグを切って仕上げるのがさわやか流。これはオープン当初からの伝統だ。富田社長は「目の前で仕上げるのは、熱々作りたての音や匂いも大切にしたかったからです」と説明する。

 原点は母の料理。貧しかった子ども時代、祭りの日になると母は富田社長ら4人の子どもの目の前で、しょうゆを付けた餅やサンマを炭で焼いてくれた。「あの風景は決して忘れることができません」。

①客の前に運ばれてきた「げんこつハンバーグ」
①客の前に運ばれてきた「げんこつハンバーグ」
②店員がげんこつハンバーグを半分にカットする
②店員がげんこつハンバーグを半分にカットする
③店員がげんこつハンバーグの切った面を焼いて押しつける
③店員がげんこつハンバーグの切った面を焼いて押しつける
④オニオンソースをかけてできあがり(いずれもさわやか提供)
④オニオンソースをかけてできあがり(いずれもさわやか提供)

外食はあこがれの象徴だった

 元々は浜松市内の染色メーカーの会社員だった富田社長。戦後間もなかった子ども時代は貧乏で、外食はあこがれの象徴だった。会社勤めを始め、お金を貯めては、あちこち食べ歩いた。有名なフランス料理店、イタリア料理店にも足を運んだが「高くて大衆の味じゃない」。むしろ安くておいしいカレー店、ラーメン店を見つけるのが得意で、同僚たちに紹介して回った。しかし、20代で結核を患い、その後10年間、あまり働くこともできず闘病生活を経験した。

 起業は40歳の時。商売経験はなかったが「食べるのが大好きな私が行きたくなる店を作ろう」と考えた。1977年7月に「コーヒーショップさわやか菊川本店」をオープンさせた。

富田重之(とみた・しげゆき)1937年2月、浜松市中区生まれ。
富田重之(とみた・しげゆき)1937年2月、浜松市中区生まれ。

きっかけは一通の手紙

 現在、看板商品のげんこつハンバーグ(250グラム)、おにぎりハンバーグ(200グラム)を注文する客は68%に上り、ハンバーグ全体なら客の90%になる。しかし「バブルのころは、アルコール類を含め約200種類のメニューを提供していた時もありました」。

 1992年、1通の手紙が袋井店に届いた。「私が小学生のころのさわやかは、おとぎの国のような楽しいお店でした。かざってある物、テーブルやいす、それから働いている人や食べ物が明るくて踊っているように見えました、いつも気をつかって声をかけてくれました。どんないやな事がおころうと、さわやかで食事をすればがまんできると思いました。自分の大好きだったお店をどうかもう一度作ってください」。

 富田社長は「さわやかは何屋で、どんな価値を提供してくれるのか明確にしてくださいと言われているように感じました」と話す。メニューは、得意商品だったハンバーグに絞ることにした。ちょうどバブルからデフレへと時代が大きく変わるころだった。「コンビニで何でも手に入る時代になり、ハンバーグは日常の料理になりましたが、お客さまには『元気の出るふるさとレストラン』という物語に価値を感じ、選んでいただいているのだと思います」。手紙の差出人はわからなかったが「天使の手紙」と呼ぶことにした。それ以来、客からの投書は欠かさず目を通している。

 元気の出るふるさとレストランというテーマは店の雰囲気作りにも生かされている。店内の天井の高い木造りは田舎の家風だ。テント張りのオープンキッチンやレジ前のおもちゃコーナーはふるさとの祭りの夜店をイメージしたという。

小学4年までの子どもには一つプレゼントされるおもちゃコーナー
小学4年までの子どもには一つプレゼントされるおもちゃコーナー

店舗拡大は人材育成が最優先

 さわやかハンバーグの特徴は赤身が残ったままであること。オーストラリアの指定牧場で、大麦や穀物で育てたアンガス牛の筋肉の赤身の部位を使うことで大腸菌ゼロの肉を確保した。そのため、赤身が残っていても安全に提供できるという。2004年に静岡県袋井市に本社工場を作り、静岡県内の28店舗には閉店後に毎日、工場から直接チルド配送をしている。

 「名古屋市でも静岡県東部へも配送することはできます。ツイッターなどで静岡県沼津市への出店を求める声があることも承知しています。ただし、お客さまがまた来たいと思える基準をクリアできる人材の確保と育成が最優先です」と富田社長。19日には、最東端となるさわやか御殿場インター店がオープン予定だ。

 富田社長は「今はお客さま一人ひとりがインターネットで情報発信できる時代。ファンになって頂ければ、その方たちがさわやかの魅力をPRしてくださる。そんな効果もあり、ここ3年は売り上げを大きく伸ばしています」と話している。


げんこつハンバーグの炭焼きレストランさわやか「安心・安全・元気のでるおいしさ」で、静岡県下28店舗展開中です。

CLOSE

Q 取材リクエストする

取材にご協力頂ける場合はメールアドレスをご記入ください
編集部からご連絡させていただくことがございます