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天国から贈る「神様」と「鬼」の一杯 東京ラーメンショーでコラボ
今年と昨年、ラーメン界を牽引してきた2人の巨匠が相次いで亡くなりました。つけ麺を広め「ラーメンの神様」と親しまれた「大勝軒」創業者の山岸一雄さん(享年80)と「ラーメンの鬼」の異名をとった「支那そばや」創業者の佐野実さん(享年63)。この2店が初めて協力し、追悼のコラボラーメンを完成させました。
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今年と昨年、ラーメン界を牽引してきた2人の巨匠が相次いで亡くなりました。つけ麺を広め「ラーメンの神様」と親しまれた「大勝軒」創業者の山岸一雄さん(享年80)と「ラーメンの鬼」の異名をとった「支那そばや」創業者の佐野実さん(享年63)。この2店が初めて協力し、追悼のコラボラーメンを完成させました。
今年と昨年、ラーメン界を牽引してきた2人の巨匠が相次いで亡くなりました。つけ麺を広め「ラーメンの神様」と親しまれた「大勝軒」創業者の山岸一雄さん(享年80)と「ラーメンの鬼」の異名をとった「支那そばや」創業者の佐野実さん(享年63)。この2店が初めて協力し、追悼のコラボラーメンを完成させました。23日から東京・世田谷の駒沢オリンピック公園で始まる「東京ラーメンショー2015」で販売されます。
コラボラーメン「絆をつむぐ醤油らぁ麺」(850円)は「伝統的な醤油ラーメン」。スープは「東池袋大勝軒」の豚や鶏、魚介系を合わせる濃厚な醤油スープに佐野さんが手がけた山水地鶏(岡山)を加えました。麺は北海道産の小麦にこだわった「支那そばや」ののどごしのよい細麺です。「東池袋大勝軒」2代目店主の飯野敏彦さん(47)は「最初は支那そばやの地鶏の香りが感じられ、食べ進めると大勝軒のコクが出て来ます」と表現。ラーメンショーの実行委員長で、自称「日本一ラーメンを食べた男」の大崎裕史さん(56)は「佐野さんは『麺は男、スープは女』とラーメンを夫婦の姿に例えていた。その最初で最後になるであろうコラボ。私も並んで食べたい」と期待をふくらませます。
両店は今年で7回目となる東京ラーメンショーにも出店経験があり、ゆかりのある名店です。前回の東京ラーメンショーでは、昨年4月に亡くなった佐野さんを追悼するラーメンを企画しました。今年4月に山岸さんが亡くなり、大崎さんは「ラーメン界に多大な貢献をしたレジェンド2人を偲ぶラーメンを作りたい」と両店に打診。夏ごろからラーメンづくりが始まりました。
「支那そばや」2代目店主でもある佐野さんの妻しおりさん(54)によると、大勝軒と合作の話は2人が生前の数年前に別のイベントで一度あったそうです。しかしその時は、「『神様』とうちがコラボなんて失礼になる」という佐野さんの遠慮もあって実現しませんでした。今回は「互いに2代目として、先代に恥をかかせないラーメンを作ってファンの人にも頑張っている姿を見せたいと思った」としおりさん。飯野さんも「大勝軒と佐野さんとのコラボなんて、お客さん側として考えたら『食べたいな』と素直に思った」と話しました。
麺とスープを完全に分けて作ることは両店にとって初めての試みでした。スープを担当した飯野さんは、「大勝軒のスープをそのまま使うと、支那そばやの麺とケンカしてしまうので、山水地鶏を加えて麺に合うバランスを探した」。麺とマッチングするスープを求め、約2カ月間何度も試行錯誤をしたそうです。一方のしおりさんも、もちもち感とのどごしのある麺にするため、加える水の量を毎日10CC単位で変化させてスープと相性のいい麺を作り出しました。
完成した時は「『いいね、美味しいね』という山岸の声が聞こえた気がした」と話す飯野さん。しおりさんは佐野さんと山岸さんの生前の交流を思い出し「泣きそうになるほど震えた」と振り返ります。企画をした大崎さんも「感無量です。あとは多くの方にこのラーメンを食べていただきたい」と話しています。
東京ラーメンショーは23日から11月3日までの12日間で、6日間ごとに店が入れ替わります。100店舗以上が参加し、「富山湾高級白エビ/肉盛そば」「大分佐伯ラーメン」など42種類のご当地ラーメンが味わえます。食券制で1杯すべて850円。入場は無料で、会場ではアイドルユニット「Ru:Run」のライブなど様々な催しもあります。詳細は公式ホームページで。
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