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背もたれ吹っ飛び、足ガクガク 「いす―1GP」ブームが拡大中

事務いすに座って速さを競う「いす―1グランプリ」。商店街の活性化を狙い、京都府の商店街が「関西のノリ」で始めた競技が、人気です。

事務いすで商店街を駆け巡る参加者たち
事務いすで商店街を駆け巡る参加者たち 出典: 朝日新聞

目次

 キャスター付きの事務いすに座って速さを競う「いす―1(ワン)グランプリ」が10月25日、東京都中央区で開かれます。もともとは商店街の活性化を狙い、京都府の商店街が「関西のノリ」で始めた競技。開催地や競技人口は年々広がり、台湾での開催も決定しました。関係者は「五輪の競技入りも目指したい」と意気込んでいます。

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「関西のノリ」で始めちゃった

 いす―1の発祥地は京都府京田辺市のキララ商店街。全国の多くの商店街と同様、シャッターが目立つようになった同商店街で「何か誇りに思えるものを企画したい」と、写真館を営む田原剛さん(46)が考案しました。「いつも身近にあったのが事務いす。小学生の時に先生のいすで走り回って遊んでなんべんも怒られたんを思い出して、事務いすのレースを真剣にやってみよかて思ったんですわ」

 2010年に初開催。いすの故障や転倒などアクシデント続発の過酷なレースが逆に参加者を燃え上がらせるのか、参加者は年々増え続けてきました。今年に入ってすでに山形、徳島、長崎、岡山、広島、秋田、北海道で開催。10月には岩手、神奈川、東京で初開催の運びとなりました。参加者数はのべ1500人を超えたといいます。「事務いすでレースしようやなんて、完全に関西のノリですわ。東京ではこんなん思いもつかへんかったんちゃいまっか」と田原さん。

いす―1グランプリを考案した田原剛さん
いす―1グランプリを考案した田原剛さん 出典: 朝日新聞

過酷な2時間耐久レース

 いす―1は2時間の制限時間内で1周約180メートル(開催地によって多少異なる)のコースを何周できるかを競う耐久レースです。使うのは、キャスター付きの事務用のいす。足でこぎ、1チーム3人で助け合いながらレースを続けます。何周もすると背もたれが取れたり、足が疲れて転んでしまったり――。田原さんいわく、「観客の応援と選手の頑張りが一体となり、終了後には達成感でいっぱいになる」のだそうです。
 キララ商店街の場合では、参加費4500円のうち1500円を「商店街で使える金券」としてキャッシュバック。全国から集まった人たちに商店街でお金を落としてもらう仕掛けも組み込んでいます。

横向きや後ろ向きになって疾走する「いす―1グランプリ」の参加者=福山市
横向きや後ろ向きになって疾走する「いす―1グランプリ」の参加者=福山市 出典: 朝日新聞

最高記録は127周

 これまでの最高記録は昨年3月に開催されたキララ商店街のレースで出た127周。長崎の消防士3人組が打ち立てた記録だそうです。「この記録はもう破られへん」。いす―1界では早くもそんな声が上がっているそうです。

台湾で開催へ

 さて、そんないす―1ですが、ついに海外に進出します。台湾の台南市の商店街から「いす―1をやってみたい」という話が持ち上がり、来年の開催に向けて計画が進んでいる最中とのこと。いす―1をこよなく愛するメンバーからは「流れに乗って、オリンピック競技化も目指そう」という声も出ているとか。

 田原さんらは今年3月、さらにいす―1を普及させようと「日本事務いすレース協会」を立ち上げました。会長に就いた田原さんは競技のことだけを考えているわけではありません。「商店街を元気にしたいと思って始めたこの競技を通し、地域の人たちが前向きに考えて、子どもたちのためとか、地域の誇りを作るために行動を起こせるような人を生み出せたらと思っています」

     ◇

 「いす―1グランプリ 東京・京橋2015」は10月25日、東京都中央区の京橋3丁目通りで開催。受付は午前9時半~10時半、レースは正午~午後2時。参加費1チーム5千円で、高校生以上の男女。10月2日午後5時までにhttp://isu1gp.com/でのエントリーが必要。
 川崎市で10月25日に開かれる「武蔵小杉大会」も同サイトでエントリーできる(9月30日まで、当日申し込みも可)。

いす-1GPは京田辺市キララ商店街発祥の事務いすを使った耐久レースです

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