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IT・科学

ニューズピックス躍進支える技術力 記事・広告一括管理の新システム

ニューズピックスの杉浦正明サービス開発マネージング・ディレクター=古田大輔撮影
ニューズピックスの杉浦正明サービス開発マネージング・ディレクター=古田大輔撮影

コメント表示に約10種のパラメータ

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--実名、匿名アカウントの割合はどれぐらいでしょう。

「本当に実名かどうかの確認は難しいので厳密なデータはありません。ただ、サービスとしては実名登録を推奨して、匿名よりも実名の方がメリットがあるようにシステムを設計していきたいと思っています。実名を重視しているというメッセージを打ち出していきたい」

--どういうユーザーのコメントが上位に表示されるか。そのアルゴリズムの調整もしていますね。一般ユーザーからすれば、単純に人気が高いコメントが上にくるわけではなくなるので、不透明感もあります。

「総合トップに関しては、速報性があるニュースを並べるために一部は社内で編成しています。コメントのアルゴリズムに関しては、10種類ぐらいのパラメータでコメントの質が高いと推測できるものを上にあげています」

--NPのようにユーザーが自由にコメントできるプラットフォームでは、ユーザー数が増えるに従い、場が荒れる例が多いです。NPも無関係だったり攻撃的だったりするコメントが増えたと言われます。テクノロジーの力で改善することはできるでしょうか。

「一度試してみたいのはクラスタリングです。ユーザー数が増えると、スポーツネタが好きな人、政治ネタが好きな人、金融マーケット情報を話したい人といろいろ出てくる。そうすると、こことここの人は価値観が合わないということも出てくるので、緩やかに価値観が近い人をつなげるかたちです」

--具体的にはどうしますか。

「問題は何をパラメータにするかです。単純に興味関心が似ている人を寄せる以外の方法が、NPのフォローという概念を使って実現できるかもしれません。例えば、Aさんをフォローしているフォロワー同士を寄せていくとか。興味関心が経済にあっても、金融マーケットが見たい人と、より一般的に経済情報が見たい人は少し違うますよね。その直感的に感じる『ちょっと違う』という感じを、『人』を媒介したシステムでゆるく実現できるといいというのが今の仮説です」

マネタイズ問題をテクノロジーで解決したい

--エンジニア目線でメディア業界を見ていると、合理的ではないと感じることも多いのでは。

「既存の業界慣習みたいなものは学ぶところが多いです。広告業界は広告の申し込みから掲載まで時間がかかるなということや、その結果のレポーティングを見ても効果がわかりづらい。編集ではワードで原稿をやりとりしていたり、掲載確認もワードプレスでつくったものをPDF化して送り返したり。いま言ったようなことは、すべて先ほど紹介したシステム上でより簡単に、ワンストップできます。写真のバナーをつくるにもグラフをイラストレーターで手作りするとか、そういう細かいこともシステムで自動生成できるようにして、より効率を高めていきたいです」

--編集部にエンジニアが多いので、ビッグデータ分析やビジュアライズのようなデータジャーナリズムの分野に力を入れるのかと思っていました。

「僕自身の興味関心は、メディアが抱えるマネタイズの問題をテクノロジーの力で、NPを通じて解決することです。例えば、スマホで見かける広告というと、アプリ広告やエロ広告が目立ちます。堅めの企業や大企業など、従来のマスメディアに広告を出していて、プラス、スマホにも出したいと思っている企業にとって、出す場所がないというところは多いのではないでしょうか。こういう現状は健全じゃない。スマホを使うビジネスパーソンと企業をつなげたいし、従来のメディアとビジネスパーソンをつなげたい。そのためにテクノロジーを使いたいと思っています」

--それが冒頭の新システムということですね。

「そうです。ニュース閲覧履歴やエンゲージメントがわかるので、そこを解析してより高いレベルでユーザーと企業をマッチングさせる。ユーザーは自分に関係のない商品の紹介だと『うざい』と思ってしまう。NPであれば、ユーザーと商品の関係性について、より高いレベルで判定できる。それこそ、メディアの媒介力の高さにつながるし、広告料も高く設定できる。そうすれば、コンテンツの作り手にもより高い金額をフィードバックできる。そういう世界を実現したいと思っています」

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