IT・科学
ドローン学校開校へ 活用が本格化 御嶽山に投入、ソニーも事業化
規制が進むドローンですが、積極的に活用する動きも出ています。操縦士養成コースができたり、御嶽山での捜索に投入されたりしています。
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規制が進むドローンですが、積極的に活用する動きも出ています。操縦士養成コースができたり、御嶽山での捜索に投入されたりしています。
規制が進む無人飛行機(ドローン)ですが、積極的に活用する動きも出ています。デジタルコンテンツ系のクリエーターを養成する「デジタルハリウッド」がドローンの操縦を学べるコースの開講を発表しました。昨年9月に噴火した御嶽山では、捜索現場にドローンが投入されました。ソニーではドローンを使った点検や測量の事業化を計画しています。
7月14日、安倍内閣は航空法改正案を閣議決定しました。家屋の密集する都市部でのドローンの飛行を原則禁止するという内容です。国土交通省は、東京23区や県庁所在地の中心市街地を飛行禁止空域にする方針です。ドローンを活用したい事業者などは、空港事務所などに申請する必要があります。
ドローンをめぐっては、2015年4月に首相官邸への侵入事件が発覚し、規制強化を求める声が強まります。長野市の善光寺の法要では、行列に落下するトラブルも発生。航空法改正案が作られることになりました。
規制が進むドローンですが、活用方法を探る動きも活発化しています。デジタルハリウッドは、10月にデジタルハリウッド専門スクールで「ドローン操縦技能士コース(仮称)」を開講することを発表しました。
コースは全8回で、2ヶ月間の課程になる予定です。規制に関する法律知識から、操縦方法まで幅広く学びます。八王子キャンパスでは実際にドローンを飛ばす飛行実習や操縦方法の講座も開かれるそうです。
デジタルハリウッドでは、将来的には資格など認定制度の発展も検討しています。「ネガティブなイメージが広まりつつある中、色々な活用方法があることを、知ってもらいたい」としています。
7月22日には、東京でシンポジウム「ドローンとデジタルコンテンツの未来像」が開かれました。シンポジウムでは、米国で医薬品を運ぶ実験が行われていることや、日本でもゴルフ場などでAED(自動体外式除細動器)の緊急搬送テストが始まっていることが、報告されました。
また、ドローンを通信衛星のようにして使ったり、米国で本格的な議論が進んでいる宅配業に活用したりする将来像についても、議論されました。
昨年9月に発生した御嶽山噴火。行方不明者6人の発見に向けて、7月29日、9カ月半ぶりに捜索が再開されました。標高3千メートル付近での困難な作業ではドローンも投入されました。
捜索隊員100人が、金属探知機やスコップ、土起こしたりする中、立ち入りが難しい急傾斜地などの状況をドローンが上空から撮影しました。
カメラの解像度は約30メートルの高度から5センチ四方に書かれた文字を識別できるそうです。ドローンは平地だと20分程度飛行できますが、高山だと飛行能力が落ちたり突風やガスなどで操縦が難しくなったりします。このため、御嶽山山頂付近では、1回で10分程度しか飛行できないそうです。
ソニーは、2016年からドローンを使って橋などの点検や測量をする事業に参入します。車の自動運転技術を手がけるベンチャー企業のZMP(東京)との共同開発で、カメラや通信技術を生かして高精細な画像を撮るドローンをつくります。
高性能カメラで上空から素早く建築現場を測量したり、災害現場や橋の裏側などに自動操縦で飛んでいき、映像をモニターに送ったりするサービスを展開する方針です。
ネガティブなイメージが強くなってしまったドローンですが、正しく使えば様々な可能性を秘めているのも事実です。海外で活用事例が増えてる中、日本でも災害現場や新しいサービスなどで、ドローンが使われる場面が増えそうです。
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