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阿川弘之さん死去 「お前に人権はない」娘・佐和子さん育てたしつけ
小説家の阿川弘之さんが3日、亡くなりました。94歳でした。作家・エッセイストの阿川佐和子さんの父親で、厳しい子育てで知られた家庭でした。
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小説家の阿川弘之さんが3日、亡くなりました。94歳でした。作家・エッセイストの阿川佐和子さんの父親で、厳しい子育てで知られた家庭でした。
小説家の阿川弘之さんが3日、亡くなりました。94歳でした。作家・エッセイストの阿川佐和子さんの父親で、その子育ては「この家に生まれたことが不幸なんだと思った」というほど厳しい家庭でした。
阿川さんは1920年に生まれました。東京帝大文学部国文学科を卒業し、海軍予備学生になります。終戦を中国で迎え、翌年、海軍大尉として帰国しました。小説「年年歳歳」を発表し、文壇にデビューします。『山本五十六』『米内光政』『井上成美』の提督三部作をはじめ、『春の城』『軍艦長門の生涯』など戦時下の人間像を描いた長編を多数手がけました。
1999年10月の文化勲章受章時には「戦争のことがなかなか頭から離れなかった。海軍のなかで、命がけで戦争に反対した人のことを書きたかった」と話しています。
娘の阿川佐和子さんは、幼い頃の思い出を「この家に生まれたことが不幸なんだと思った」と振り返っています。
小学生のころ、自宅に友だちをたくさん呼んで誕生日会を開こうとしたら、「二度とこんなバカバカしい会をすることを許さん」と怒鳴られました。大人になってからも、留守電が入っていると「ビクッとする」。すぐ折り返し、通話中に仕事の関係者が来ても電話を切れませんでした。
「お前に人権はない」と言われたこともあるそうです。経済的に自立して初めて意見が言えるようになる。その日まで頑張ろうと思い、仕事に全力を尽くしたそうです。
厳しかった子供時代。叱られたくない、という思いが、作家・エッセイストとしての活躍につながったと、述べています。
1994年には、師を描いた評伝「志賀直哉」で野間文芸賞を受けた阿川さん。吉行淳之介、遠藤周作らと「第三の新人」と呼ばれました。
小説だけでなく、古びた機関車が主人公の童話「きかんしゃやえもん」は児童文学のロングセラーとなっています。
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