グルメ
ご当地パン、全国に息づく謎の食文化 ぼうし・たくあん・昆布…
地元でひっそり愛されてきたご当地パン。最近では、人気のご当地パンを決める「ご当地パン祭り」が開かれ、街おこしにつなげる動きも出ています。
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地元でひっそり愛されてきたご当地パン。最近では、人気のご当地パンを決める「ご当地パン祭り」が開かれ、街おこしにつなげる動きも出ています。
地元でひっそり愛されてきたご当地パン。ぼうし・たくあん・昆布…地元民には懐かしく、部外者には謎過ぎる、独特の食文化です。最近では、人気のご当地パンを決める「ご当地パン祭り」が開かれるなど、街おこしにつなげる動きも出ています。
高知の「ぼうしパン」は、丸いパンのふちに「つば」があり、その名の通り帽子のよう。表面はしっとり、中はふわふわ。つばはサクサクのカステラ生地で、ほのかに甘い。
1927年創業の老舗パン屋「永野旭堂本店」(高知市)でメロンパンを作っていたとき、パン生地の発酵前に上にかけるビスケット生地をかけ忘れ……すでに発酵していたため、代わりにカステラ生地をかけて焼くと、偶然、帽子の形に。半世紀ほど前のことだそうです。
作り方が県内のパン屋に広まり、スーパーにも並ぶようになりました。永野旭堂本店社長の永野雄敏さんは「県外への贈答品にする人も多い。高知でぜひ食べてください」と話しています。
ラグビーボールのような形で、中には自家製クリームがたっぷり。広島県呉市のパン店、その名も「メロンパン」の看板商品はメロンパン。1936年の創業時から変わらず愛され、1日に1千個以上売れる人気です。
お子様ランチのライスをかたどる際に使う楕円(だえん)の枠を見てひらめいたのが始まりだそうです。さわやかな甘さのクリームが入り、1個230グラムとずっしり重い。3代目社長の妻、中塩愛子さんは「79年間続く素朴なパンを味わって」。
1日に6千個を売り上げるのは、京都市右京区の老舗パン屋「志津屋」の「カルネ」。フランス語で「回数券」。「何度でも足を運んで欲しい」との思いが込められているそうです。フランスパンにマーガリンを塗り、ボンレスハムと生タマネギスライスを挟んだだけのシンプルさ。しかし一口食べると、その絶妙な食感、おいしさがくせになります。
京都出身の女優・杉本彩さんがブログで紹介したり、テレビ番組で紹介されたりして、人気はじわじわ全国区に。京都駅にも店があり、観光や出張帰りに新幹線の車内でほおばる人も増えているとか。
その名からポテトサラダや野菜が挟んであると思ったら大間違い。コッペパンに挟まれた具はたくあん。コショウ入りマヨネーズとたくあんの塩気が絡み合い、不思議とパンチのある味に仕上がっている。その食感は「コリコリ」だ。
滋賀県長浜市の「つるや」(1951年創業)が作り続けて半世紀あまり。今やネット販売も手がける全国区のパン屋さんに。「塩気があって腹の足しになるものを」と店主の妻の西村智恵子さんは知恵を絞り、刻んだキャベツをマヨネーズであえた「サラダパン」を販売。しかしキャベツの水分がパンに染み込み味が落ちたり日持ちしなかったり。代わりの具にたくあんを試したところ、「これ、いける!」。最初は敬遠されたがいつしか地元に定着し、ネットの普及でブレークしました。
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