話題
給食費未納で提供停止、何が問題か? 「無銭飲食」「子どもが犠牲」
埼玉県北本市の中学校が6月、給食費を納めなければ提供を停止する通知を出しました。賛成の意見がある一方、「子どもが犠牲に」という声も…
話題
埼玉県北本市の中学校が6月、給食費を納めなければ提供を停止する通知を出しました。賛成の意見がある一方、「子どもが犠牲に」という声も…
今回の騒動、何が問題だったのでしょうか?
教育評論家の尾木直樹さんは「公立中学校の教員だった経験から、子育ての能力や責任感に欠けるなど様々な保護者がいるのは分かる」と一定の理解を示します。一方で「どんな親や子どもにも、きちんと対応していくのが公立学校だ。教員は部活などに費やす時間が長すぎて、保護者と十分なコミュニケーションをとって信頼関係を築けていない」と指摘。「十分な対応ができるようにするためには、働き方も見直すべきだ」としています。
鳫(がん)咲子・跡見学園女子大准教授(行政学)は「生活保護や就学援助を申請していないからといって『支払い能力がある』と考えるのは短絡的」と問題視します。「援助を申請できない事情を抱える保護者もいる。滞納を続ける家庭は、子どもが育つ環境として何らかのリスクがある可能性がある。学校や行政は懲罰的な対応ではなく、滞納を福祉による支援が必要なシグナルととらえる必要がある」と訴えます。
「なぜ給食費を払わないのか各家庭の事情をきちんと把握しなければなりません」というのは、末冨芳・日本大学准教授(教育行政学)です。理由として、学校によってはコピー代など学校の備品を保護者が負担するなど、学校の経費を一方的に求められている状況を挙げます。末冨准教授は「なぜ給食費の支払いが必要なのかを丁寧に説明し、保護者の負担を軽減する努力をすればさらにいいでしょう。保護者の納得が何よりも大切です」としています。