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「ひげ面の麗人」コンチータ 外見への批判、歌声で蹴散らす
「ひげ面の麗人」と呼ばれる歌手、コンチータ。その外見から反コンチータの運動が起きても、自分の生き方を貫いています。
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「ひげ面の麗人」と呼ばれる歌手、コンチータ。その外見から反コンチータの運動が起きても、自分の生き方を貫いています。
女性のような容姿、でも顔にはひげ。オーストリア出身のコンチータは「ひげ面の麗人」と呼ばれる歌手です。同性愛への差別を経験した自分のありのままの姿を伝えるため、そのルックスを貫いています。世界的なコンテンストへの出場が決まると、反対運動のフェイスブックに4万もの「いいね!」がつく騒動に。それでも圧巻のステージで優勝。「惚れちゃった」「完璧な歌声」。その生き様と歌声には、共感と称賛の声が相次いでいます。
型破りな外見のコンチータ。10代のころに同性愛への差別をきっかけに、本名のトムとは別に、自分の中にコンチータという女性をつくり出します。ひげを生やすのは、ありのままの自分でいたいという思いと、外見で判断せず、人として受け入れて欲しいというメッセージが込められています。
2013年9月、アバやセリーヌ・ディオンを輩出したユーロビジョン・コンテストの母国代表に選ばれます。しかし、その外見からネット上では、反コンチータの動きも生まれます。
「コンチータは好きじゃない。“She or he”は良い歌声を持ってるかも知れないけど、ヒゲがひどい」
「テレビでコンチータを見るのが嫌い。気分が悪い。あの偽物のまつげをみるのが嫌」
ツイッターにはそんな投稿が相次ぎ、コンテストの出場禁止を求めるフェイスブックページには4万もの「いいね!」が集まる騒ぎになります。
I don't like Conchita. Sorry. She or he idfk has a great voice but her beard is awful
— SamuelLarsenFollows❤ (@xsophielarsenx) 2015, 5月 23
しかし、翌年のステージでは、アルバムの11曲目「ライズ・ライク・ア・フェニックス~愛は不死鳥のように~」で見事、優勝します。
「失礼かもしれないけど、気にしなかった。中傷に傷つくか、ケーキのレシピを見るか。選べるとしたらわたしは後者を選ぶ。すばらしいことに集中したいと思った」。コンチータは、さらりと言ってのけます。
一貫しているのは常に前を向くポジティブさと、素顔の自分でいたいという姿勢です。ツイッターでは、歌手としての実力に感動した声も多数、投稿されています。
「コンチータ・ラストに惚れちゃったかも! 写真以外では何も見たことがなかった。とても才能があるしチャーミング」
「やっと(コンチータのアルバムを)手に入れた!このアルバム本当に素敵。完璧な歌声を持ってるよ」
「みんながコンチータのことをちゃかして、ヒゲがあるのを理由に勝つのにふさわしくないって言ってるのが嫌い」
I think I just fell in love w Conchita Wurst. Had never seen a single thing other than a photo. How charming and talented!
— Chica (@Chica63) 2015, 7月 4
2015年7月には、アルバム「コンチータ」で日本デビューを果たしました。コンチータは自分の生き方について、こう語っています。
「世界を変えることはできないかもしれないけど、自分自身の真実を伝えたい。何より、歌が好き。残りの人生全てをかけて、人を楽しませたい」
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