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鶴瓶さん驚異の「気配り力」 元兄弟子が明かす、人たらしの極意

人懐こい笑顔で会う人すべてを魅了してしまう笑福亭鶴瓶さん。ビジネスの世界にも通じる「気配り力」の持ち主でした。

人懐こい笑顔で会う人すべてを魅了する笑福亭鶴瓶さん
人懐こい笑顔で会う人すべてを魅了する笑福亭鶴瓶さん 出典: 朝日新聞

目次

 人懐こい笑顔で会う人すべてを魅了してしまう笑福亭鶴瓶さんは、落語家として、史上最速と言われるスピードで出世をしました。それなのに不思議と嫉妬やねたみとは無縁のまま。小6で落語家になり、鶴瓶さんの「兄弟子」だった横山信治さんは16歳で廃業、ビジネスの世界に転じ「鶴瓶さんの生き様には、世のビジネスパーソンにとってのヒントがたくさんある」と実感しています。鶴瓶さんの気配り力に直に接した横山さんに、その魅力を聞きました。

「変化」を褒める

 落語家になるためには、3年間の修行期間があると言われています。ところが、鶴瓶さんは入門1年目からテレビで人気者に。兄弟子からは、嫉妬の対象になりかねません。そんな時、鶴瓶さんは、抜群の「褒め力」を発揮します。

 横山さんが印象的だったのは、鶴瓶さんが単に褒めるのではなく、変化を褒めたことです。
 「兄弟子の噺を単に『上手ですね』と言っても、相手はプロだから当たり前です。鶴瓶さんは『今日の噺』とういう言い方をする。そうすると、兄弟子は鶴瓶さんが自分に注目していたと感じるんですね。ネクタイを褒めるのにも、単なるお世辞になるか、好感度を上げられるかの分かれ目は、そんなところにあるんです」

左から六代目笑福亭松鶴さん、離鶴さん、横山信治さん(芸名・手遊=おもちゃ)、鶴光さん、鶴瓶さん=横山信治さん提供
左から六代目笑福亭松鶴さん、離鶴さん、横山信治さん(芸名・手遊=おもちゃ)、鶴光さん、鶴瓶さん=横山信治さん提供

嫌みがない「恩返し」

 落語の世界でも、ビジネスの世界でも、感謝の気持ちを伝えることは大切です。鶴瓶さんの「恩返し力」のすごさは、何げない行為を嫌みなく自然にやってのけてしまうところです。

 鶴瓶さんは、昔、お世話になった故桂米之助さんの家の近くに仕事で来るたび、米之助さんの奥さんに「家に行っていい?」と気軽に電話をするそうです。どんなにテレビで活躍しても、昔の恩義を忘れず、相手が負担にならないよう声をかける。横山さんは「例えば、出張先から絵はがきでお礼状を送る。それだけで、送られた方は自分を思い出してくれたということを喜んでくれます」と話します。

笑福亭鶴瓶さん
笑福亭鶴瓶さん 出典: 朝日新聞

お世辞じゃない「思いやり」

 鶴瓶さんの「思いやり力」も群を抜いています。桂ざこばさんと共演した時のこと。自分の落語に納得がいかなかったざこばさんは、舞台で泣き出してしまったそうです。番組を降りるとまで言い出したざこばさんに鶴瓶さんは、こう声をかけました。

 「兄さんのことが好きやから。兄さんとでなかったらあかんねん」

 横山さんはこの言葉に鶴瓶さんの「思いやり力」のすごさを感じたそうです。

 「相手は落語のプロ。芸の出来に意見するのは御法度です」と横山さん。「鶴瓶さんは、『そんなことないです、面白かったです』などと見せかけのお世辞を言わず、心から一緒に番組をやりたい気持ちを伝えました。このような『思いやり』は、ビジネスの世界でもトップにいる人ほど、必要なスキルでしょう」

桂ざこばさん
桂ざこばさん 出典: 朝日新聞

「メモ魔」の鶴瓶さん

 小6で落語家デビューした横山さんでしたが、その後は芽が出ず、16歳で廃業を決意します。最後の舞台の観客は4人でした。

 その後、進学し当時の日本信販に入社。営業マンとして活躍し、ソフトバンクファイナンスに転職します。落語とは縁のない生活をしてきましたが、北尾吉孝・SBIホールディングス社長も参加したパーティーで落語を披露したことをきっかけに、北尾社長から目をかけられるように。そのままキャリアを重ね、SBIマネープラザの社長、SBIモーゲージの役員をつとめ、今は自分で会社を経営しています。

横山信治さん。2015年5月には共著で「ビジネスエリートは、なぜ落語を聴くのか?」を出版した
横山信治さん。2015年5月には共著で「ビジネスエリートは、なぜ落語を聴くのか?」を出版した

 「廃業してから5年間はお笑い番組を見られなかった。でも今は人生、無駄なことはないと思っています」

 最近では、自分の経験まとめた本「ビジネスエリートは、なぜ落語を聴くのか?」(日本能率協会マネジメントセンター)を共著で出版しました。

 「鶴瓶さんは、何でもメモを取って芸に生かしていました。鶴瓶さんのような、気配りの人を間近で見てきた自分の経験は、ビジネスの世界でも大いに役立つはずです」

出典:Amazon.co.jp: ビジネスエリートは、なぜ落語を聴くのか?: 石田 章洋, 横山 信治: 本

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