IT・科学
不満を投稿、小遣い稼ぎ 1件5円から「待ち時間長い」「故障多い」
様々な不満を買い取る新しいビジネス「不満買取センター」が好調です。原則、全部の投稿を買い取るわかりやすさから月20万件の不満を集めるほどに。
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様々な不満を買い取る新しいビジネス「不満買取センター」が好調です。原則、全部の投稿を買い取るわかりやすさから月20万件の不満を集めるほどに。
その不満、SNSに投稿するくらいなら売ってください! 様々な製品、サービスの不満を買い取る新しいビジネス「不満買取センター」が好調です。原則、すべての投稿を買い取るというわかりやすさから、月20万件の不満を集めるほどに。集めた不満は、企業にとって貴重な情報になっています。
2012年設立の「不満買取センター」は、もともとメールによる不満を集め、冊子にして販売していました。スマホの急速な浸透と、一般の人が気軽にSNSなどに投稿する社会の変化を受け、2015年3月にサービスを一新。1件からウェブでも投稿を受け付けられるようにしました。
現在では1日5千から1万件の不満が集まっています。不満を提供する企業も400社近くに。順調な滑り出しについて、鈴木翔一朗社長は「原則、何でも買い取るという姿勢が重要だった。一見、意味のなさそうな投稿でも、最新の解析技術で整理すれば、価値を生む情報できる」と言います。
集まった不満は、情報処理の専門家である社内のデータサイエンティストが分析しデータとして企業に提供します。力を入れているのが、自由記述欄の解析です。文章を「待合室」「不愉快」「疲れた」などのような単語単位で分けて、自動的に分類していきます。
投稿した不満には、内容などに応じてポイントがつきます。投稿した人はポイントをお金に換えることができます。不満は1つ5円から25円で買い取られます。不満内容を詳細に書き込むほど、値段は高くなります。投稿者の多くは月に5000円くらい受け取るそうです。中には1~2万円分の不満を投稿する人もいるそうです。
企業向けには、依頼に応じて不満を集める事業、集まった不満を分析したレポートを販売する事業、そして、膨大な不満の全体像をリアルタイムにウォッチできるサービスなどを提供しています。
コールセンターなどに寄せられる苦情と違うのは、幅広い声を集めることができることです。鈴木社長は「企業に直接、連絡をしてくる人は、不満が極端に大きい人か、その企業のファンであることが多い。不満買取センターに集まる情報は、普段は気付かない指摘が少なくない」と話します。
意外だったのは、病院や美容室など、手に取れないサービスに関する不満が多かったことです。「予約をしたのに待ち時間があったなど、『言われてみれば…』という気付きが少なくなかった」と鈴木社長。今後は、保険などへの展開も強化していくそうです。