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2015年06月09日

辞めずに転職?社会人交換留学 ドリコムのエンジニアが見た隣の芝生

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「社会人交換留学」を経験したドリコムのエンジニアの大仲能史さん

「社会人交換留学」を経験したドリコムのエンジニアの大仲能史さん


 会社に籍を置いたまま、別の会社で働く。ゲーム会社ドリコムと、イラスト共有サービスのピクシブが、「社会人交換留学」に取り組みました。最近では、職場やプライベート以外でスキルアップをはかる「サードプレイス」、社員を社外に派遣する「社外武者修行」など、自由な自分磨きが注目されています。

秘密保持契約に一工夫

 ドリコムからピクシブに「社会人交換留学」したのはエンジニアの大仲能史さんです。もともと交流のあったエンジニア同士の会話から発案。大仲さんが社内調整を重ね、本格的なプロジェクトに育てました。

 企業秘密の取り扱いについては、正式なNDA(秘密保持契約)を結び、会議など、その場で口外しないように言われたことも含むよう、文言を調整しました。役員の了解も得て「社会人交換留学」が実現したのは2015年の4月でした。エンジニアが1人ずつ1週間留学し、それぞれの会社のチームの一員として働きました。

NDA(秘密保持契約)にも気を配ったという大仲能史さん

NDA(秘密保持契約)にも気を配ったという大仲能史さん

「隣の芝生は青い」にならない発見

 「得られたものは想像以上でした」と大仲さんは振り返ります。チャットでのやり取りから、人材の育て方まで、両社の違いを知ることで、自分の会社の特徴をあらためて知ることができたそうです。

 「プライベートの交流では『隣の芝生は青い』という気持ちになりがちで、自分の職場の悪い点ばかり目に付いてしまう。ゲーム会社であるドリコムは、アイデアをどんどん形にしていく姿勢が強く、ピクシブさんは人材がそろうまで待つという意識が根付いていた。サービスや製品に合った組織の動かし方があるんだと、あらためて実感できた」

発案者として社内調整などもこなしたという大仲能史さん

発案者として社内調整などもこなしたという大仲能史さん

帰る場所があるからできる

 短時間の勉強会では、チームのまわし方など組織運営までは見えません。人材を採用する場合でも、新しく入った人は大多数の考えに寄ってしまいがちで、新たなノウハウを提供しにくくなります。「それぞれ帰れる場所があれば、その場で成果を出そうという気持ちになる」と大仲さんは言います。

下駄を愛用している大仲能史さん

下駄を愛用している大仲能史さん

サードプレイスで新たな刺激

 最近、注目されているのが、職場でもプライベートでもない場で知り合いを増やしたり、仕事のヒントを得たりする「サードプレイス」です。日本橋にあるコワーキングスペース「Clipニホンバシ」には、フリーランスの人から会社員まで、様々な人が集まっています。

 「Clipニホンバシ」では定期的にワークショップを開いており、会社の枠をこえた人たちが集まり交流をしています。豊洲や六本木から30分以上かけてやってくる会社員もいるそうです。

Clip ニホンバシ

たとえば、「水曜Clip」と名づけられた週1回行われるワークショップ。出会い→学び→実践→復習、という一連のプロセスを通して、アイデアを形にする方法を学ぶ。個人でコンタクトするにはハードルの高そうな“いま面白い人”の話を間近で聞き、意見ももらえる。

 高濃度のネタを効率よく手に入れることのできる場所として認知されるようになり、豊洲や六本木から30分以上かけてやってくる会社員もいるという。

出典:会社員もこぞって使うコワーキングスペース その魅力 〈AERA〉|dot.ドット 朝日新聞出版

制度としての「社外武者修行」

 アサヒビールは、2008年から社員を社外へ派遣する「社外武者修行」の制度を始めています。東日本大震災の被災地などに、社員を派遣しています。自治体職員や地元の住民と街づくりなどに関わり、その経験を、元いた職場に生かす取り組みです。

震災復興に自分の何が役立てられるのか。アサヒビールの近畿圏統括本部営業企画部担当副部長、伝田(でんだ)潤一さん(49)は2年前、自ら希望してビールの営業を離れ、東日本大震災の被災地へ向かった。同社は2008年、社員を社外へ派遣する「社外武者修行」の制度を始めた。震災後は復興に人材育成の仕組みを生かす制度を導入し、当時、広島にいた伝田さんが公募で最初の一人に選ばれた。

出典:会社に「社外武者修行制度」 実際に行った社員の思い 〈AERA〉|dot.ドット 朝日新聞出版

 日本企業は、産休や育休などの場合を除き、会社に籍を置いたまま他の活動をするのが難しいと言われてきました。変化の激しい時代。「社会人留学」や「サードプレイス」「社外武者修行」など、従来の枠にとらわれない「自分磨き」を求める動きは、今後も広まりそうです。


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