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大相撲、午後6時終了を守る熟練の小技 テレビに映らない「合図」

大相撲の取り組みは、午後6時ぴったりに終わります。連日、定刻に終わるのには、テレビには映らない仕掛けがありました。

塩をまく照ノ富士=2015年3月21日、竹花徹朗撮影
塩をまく照ノ富士=2015年3月21日、竹花徹朗撮影 出典: 朝日新聞

目次

 大相撲の取り組みは、午後6時ぴったりに終わります。考えてみると、一瞬で終わったり、何分も続く熱戦があったり、取り組み時間は出たとこ勝負のはず。連日、定刻に終わる舞台裏には、テレビには映らない熟練の小技がありました。

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1日200番、終了はいつも午後6時

 大相撲は場所中、早朝から序ノ口、序二段、三段目、幕下、十両、幕内と約200番も取組があります。数秒で決着がつく時もあれば、水入りになるほど長い時も。真剣勝負ですので、どんな展開になるかは、始まるまでわかりません。

 それなのに、NHKのテレビの大相撲中継は、いつも午後6時の少し前に終わります。これは偶然ではありません。日本相撲協会が、あの手この手で時間調整をしているのです。

大相撲の熱戦を映すテレビカメラー2005年9月12日
大相撲の熱戦を映すテレビカメラー2005年9月12日 出典: 朝日新聞

右手で「ちょうだい」 それが合図

 まず、塩をまく回数の調整します。時計係の審判が、呼び出しと行事に合図を送ります。制限時間いっぱいになると、時計係の審判は、右手で「ちょうだい」をするようなしぐさをします。審判の手は、土俵に隠れてテレビに映りません。「ちょうだい」を見た呼び出しは立ち上がり、力士にタオルを渡します。こうして、力士は制限時間がきたことを知ります。

土俵上の行司に制限時間いっぱいの合図をする審判委員の浅香山親方=関田航撮影
土俵上の行司に制限時間いっぱいの合図をする審判委員の浅香山親方=関田航撮影 出典: 朝日新聞

荒れていないのに、ほうき

 次は、ほうきです。土俵が荒れていないのに、ほうきで土俵をならして時間を稼ぐこともあります。そんな時、土俵の様子はテレビ画面に映りません。画面には、花道にいる力士の表情などが映されます。

土俵を掃き清める呼び出したち=2010年7月11日
土俵を掃き清める呼び出したち=2010年7月11日

時間がある日だけの「儀式」

 幕内取組の開始を、テレビ中継の開始時刻である午後3時55分に合わせる工夫もあります。時間がある日は、土俵で式守伊之助が、「顔ぶれ言上(ごんじょう)」という明日の取組を読み上げます。時間が足りないときには省略します。

明日の取組を土俵上で読み上げる「顔ぶれ言上」=関田航撮影
明日の取組を土俵上で読み上げる「顔ぶれ言上」=関田航撮影
関連リンク:大相撲、午後6時キッカリに終わる凄技 ほうきも活躍:朝日新聞デジタル

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