IT・科学
バカッター、目立つ「ムード乗っかり型」 すき家バイトの問題投稿
すき家のアルバイトがわいせつ画像を投稿して問題となった「バカッター」。最近の事例には、ある特徴がありました。
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すき家のアルバイトがわいせつ画像を投稿して問題となった「バカッター」。最近の事例には、ある特徴がありました。
ツイッターに不用意な投稿をしてしまう「バカッター」。先日も、すき家のアルバイトがわいせつ画像を投稿して問題となりました。なくならないソーシャルメディアをめぐるトラブルですが、専門家は、最近の事例に「ある特徴」が見られると指摘しています。
すき家のアルバイトによる問題投稿はなぜ起きたのか。以前から指摘されているのが「ヒーロー、ヒロイン願望」です。ツイッターで一時的に注目を集めることで、自分に影響力があると錯覚してしまう。そのために、投稿が与える自分への不利益を考えないままアップしてしまうというものです。また、誰もが見られる状態にあることを理解せず投稿してしまうケースも少なくありません。
最近、目立っているのが「ムードに乗っかるバカッター」です。すき家を巡っては、「ワンオペ」と呼ばれる無理な勤務環境についての問題点が指摘されていました。そのため、すき家のアルバイトという名前だけで、同業他社に比べると、注目が集まる下地がありました。
企業の危機管理の専門家で、ネット関連の知識を認定する資格「ドットコムマスター」の検定にも携わっているプリンシプル・コンサルティング・グループ代表の秋山進さんは、問題のアルバイトが「注目を浴びやすい世の中のムードを自覚していたのはないか」と分析します。秋山さんは「似たような現象は、マクドナルドの異物混入問題でも見られた」と指摘。マクドナルドの問題では、一時的に、同様の被害を訴える投稿が相次ぎました。
秋山さんは「不祥事があると、必ず『別の問題もあります』と訴える人が現われます。マスコミへの情報提供に加えて、今では、自らソーシャルメディアで発信するケースが増えています」と話します。
ソーシャルメディアへの不用意な投稿は、就活生にとっても注意が必要です。面接などの感想を書き込んだり、内定をもらったことをアップしたりするのはトラブルの元です。秋山さんは、企業側の意識の変化を指摘します。「最近の企業は、社員に資格試験を受けさせたり、講習を開いたり、情報の取り扱いに神経を使うようになっています。採用担当者への安易な悪口は『この学生はソーシャルメディアの使い方が甘い』と思われ、就活に影響を与えかねません」
ツイッターをめぐっては、投稿内容は問題なくても、アカウントの切り替えミスによってトラブルになるケースも少なくありません。最近では、安倍晋三首相の公式アカウントに、山本一太参院議員が間違って投稿。山本議員は、自身のツイッターやブログで謝罪する事態になりました。
総理のパーソナルアカウントのツイートは「総理自身の言葉」だ。本人がツイートする時間がなかなか取れないので、総理の要請でネット戦略アドバイザーの自分が代わりに総理の言葉を投稿している。総理にも直接、お詫びしたが、誤操作で混乱を招いたことを重ねてお詫びします。以後十分に気をつけます。
— 山本一太 (@ichita_y) 2015, 5月 1
秋山さんは「山本議員の一件は、誰もがやってしまう可能性がある笑えない話」と言います。「ツイッターのようなツールはオンとオフの区切りがつきにくい。フェイスブックで『秘密のグループ』に投稿したと思ったら、公開状態だったというのもよくある話。面倒でも、投稿前のチェック体制を作るなどの対策が必要です」と強調します。