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ベン・E・キングさん死去 1度ボツになってた、スタンドバイミー
「スタンド・バイ・ミー」で知られる米国の歌手、ベン・E・キングさんが亡くなりました。この名曲、実は、一度、没になっていました。
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「スタンド・バイ・ミー」で知られる米国の歌手、ベン・E・キングさんが亡くなりました。この名曲、実は、一度、没になっていました。
「スタンド・バイ・ミー」で知られる米国の歌手、ベン・E・キングさんが1日までに亡くなりました。76歳でした。日本人にもなじみの深い名曲、実は、一度、当時のマネジャーに「この曲はいらないな」と言われた曲でした。
ベンさんが「スタンド・バイ・ミー」を作ったのは1960年のことでした。当時、ベンさんは、R&Bのボーカル・グループ「ザ・ドリフターズ」のリードシンガーでしたが、待遇をめぐってマネジャーと衝突。グループを脱退しようとしたベンさんでしたが、心残りが一つありました。それが、新婚の妻ベティさんのために作った「スタンド・バイ・ミー」を世に出したいという思いがあったのです。
しかし、その場しのぎで曲を聴いたマネジャーは、冷たく言い放ちました。
「この曲はいらないな」
そこで、ベンさんは、ベン・E・キングの名でソロシンガーになります。デビュー2曲目で、日の目を見なかった「スタンド・バイ・ミー」を発表します。「一度はどぶに捨てられたダイヤ」とベンさんが語る名曲は、は1961年、R&Bチャートで4週間ナンバー1に輝きました。
「スタンド・バイ・ミー」は、25年後、映画のテーマ曲として、再び光が当たることになります。
映画監督ロブ・ライナーさんが、スティーブン・キングの小説「ザ・ボディ(死体)」を映画化するにあたり、「このままじゃホラー映画を想像しちゃう」という理由でタイトルに曲名を採用。さらに、映画のテーマ曲にもなります。
試写会当日、ベンさんは「自分の歌が映画で使われる」とだけ聞いて、妻ベティさんと席につきました。ラストシーンには、ベンさんの歌がそっくりそのまま流れました。
当時のことをベンさんは、こう語っています。
「どんな使われ方をするのか知らなかったからもうびっくりさ。隣の妻と目を合わせて言ったんだ。『俺のせいじゃないよ』ってね。映画のおかげで、この曲が、恋や結婚、裏切り、絶望といった人生のどんな状況でも、人びとに力を与えてくれることが伝わったんだ」
曲、映画、どちらも日本人にも愛された「スタンド・バイ・ミー」。ロケ地の住民によると、観光に訪れるのは圧倒的に日本人が多いそうです。
2011年11月には東日本大震災直後の日本に捧げるアルバム「Dear Japan,上を向いて歩こう」を発表しています。
冒頭は坂本九さんが歌った「上を向いて歩こう」。日本語で挑戦しています。「難しかったけれど、(発売後全米1位になった)スキヤキ・ソングはずっと好きだった。永遠の命がある歌だと思うよ」と話していました。
小林亜星さん作曲のCMソング「どこまでも行こう」と日本人バンドによるドゥーワップの名曲「グッドナイト・ベイビー」を英語歌詞にして歌うなど、サービス精神たっぷりの1枚でした。