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お金と仕事

電動自転車 各社の自信作「3人乗り対応」を徹底比較

3人乗り対応の自転車は、子育て中の家庭に人気があり、各社、自信作を投入しています。ブリヂストンとヤマハ、パナソニックの車種を乗り比べてみました。

各社自信作を投入している3人乗り電動アシスト自転車
各社自信作を投入している3人乗り電動アシスト自転車 出典: 朝日新聞

目次

 健康と便利、両方を兼ね備えた電動アシスト付き自転車。中でも、3人乗り対応の自転車は、子育て中の家庭に人気があり、各社、自信作を投入しています。狭い歩道や、段差の多い路面でも小回りの効く20インチの「都市型モデル」の中から、ブリヂストンサイクルとヤマハ発動機、パナソニックサイクルテックの車種を乗り比べてみました。

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【ブリヂストン】Bikke2e(ビッケツーe)

 ブリヂストンサイクルの「ビッケツーe」の特徴は、「着せ替え」と走行性能です。サドルカバー、グリップ、バスケットクッション、子ども乗せのクッション、バスケットクッション、さらには子ども用ヘルメットまで、様々なパーツが用意されています。

【ブリヂストン】Bikke2e(ビッケツーe)
【ブリヂストン】Bikke2e(ビッケツーe)

 「コーディネートできるのが最大の特徴です。通園の駐車場で、ほかの人の自転車とかぶるのは嫌という女性の声に応えました」と同社広報担当の竹内理さん。

 車体の色は3種類で白やグレー系の落ち着いた雰囲気(今春は限定のグリーンも)。でも着せ替えすることで、カラフルな雰囲気にも、落ち着いた感じにも、自分好みにデザインできます。

【ブリヂストン】Bikke2e(ビッケツーe)の車輪。20インチでも、極太タイヤのおかげで、安定感がある
【ブリヂストン】Bikke2e(ビッケツーe)の車輪。20インチでも、極太タイヤのおかげで、安定感がある

 極太タイヤのおかげで、下り坂で速度が出ているのに、安定感があります。ギア比が重めになっているので、必死に踏まなくても進み、アシストのおかげで重く感じません。

 一方、ハンドルやフレームは、通常の形を維持して前チャイルドシートを取り付けているため、シートの背中部分が、走る時に足やおなかとぎりぎりの状態になります。体が大きい人は、圧迫感を感じるかもしれません。

【パナソニック】GYUTTO mini DX(ギュットミニDX)

 家電メーカーとして電動アシスト車はお家芸のパナソニック。ギュットミニDXは、標準装備の前チャイルドシートですが、がっしりした姿と品質の高さが自慢です。

【パナソニック】GYUTTO mini DX(ギュットミニDX)
【パナソニック】GYUTTO mini DX(ギュットミニDX)

 驚かされたのは、シートベルト。車と同じ巻き取り機構で、しかもバックル(固定部)は、おなかではなく背もたれに。

 座るときにベルトをお尻の下敷きにする心配がないし、絡まることもありません。ゆったり座れるように、背中にはリクライニング機構も。シートクッションはストライプで爽やかな印象。後用チャイルドシートにも、同じ模様のものが用意されています。

 このモデルの大きな特徴は、バッテリーが大容量で13.2アンペアもあることです。充電1回当たりの走行距離は、「ロングモード」で73キロも。

【パナソニック】GYUTTO mini DX(ギュットミニDX)のバッテリーは大容量の13.2アンペア
【パナソニック】GYUTTO mini DX(ギュットミニDX)のバッテリーは大容量の13.2アンペア

 アシスト機構は、全般的に穏やかな反応という印象。家電メーカーらしい滑らかさです。ペースを上げ下げしたときのわずかな変化に、センサーが正確に反応してくれ、「こう乗りたい」という意図を素直にかなえてくれます。

 荷物の積載量では、注意が必要です。前カゴのスペースにチャイルドシートが張り出しているため、積載量では劣ってしまいます。特に、前後に子どもを乗せて買い物に行くときには、上の子どもに抱えてもらうなど積み方に工夫が必要です。

【ヤマハ発動機】PAS Babby(パス バビー)

 ヤマハ発動機は、1993年に世界で初めて電動アシスト車を発売した会社で、「PAS」ブランドは、電動アシストの代名詞にもなっています。

 ブリヂストンとヤマハは「相互供給」という関係にあり、ヤマハはアシスト駆動部を、ブリヂストンは自転車本体を、互いの求めに応じて作っています。PASバビーも、ビッケツーeとフレーム、駆動部などが共通です。

【ヤマハ発動機】PAS Babby(パス バビー)
【ヤマハ発動機】PAS Babby(パス バビー)

 差別化をはかっているのは、巨大な前カゴ。縦23センチ、横44センチ、高さ31センチで、容量は25リットルも。ビッケ2のカゴよりも一回り大きいです。さらに後ろのキャリアには荷掛フックも装備しています。

 カラーリングも「シック」なビッケに対して、華やかな色で元気さをアピールしています。3人乗りとして使うときには、後ろは10色、前は9色の子ども乗せを選ぶことが出来ます。華やかな車体に同系色でもいいし、モノトーンの車体に、チャイルドシートを明るくして楽しむことも。

【ヤマハ発動機】PAS Babby(パス バビー)の巨大な前カゴ。縦23センチ、横44センチ、高さ31センチで、容量は25リットル
【ヤマハ発動機】PAS Babby(パス バビー)の巨大な前カゴ。縦23センチ、横44センチ、高さ31センチで、容量は25リットル

 走り心地は、ビッケツーeと同じように軽快で、坂道もすいすい駆け上がります。PASバビーは6色を基本に、主婦でも子育て世代でも、乗り手の求めに応じて表情を変えることが出来る、ベース車の魅力がありそうです。

 最大の武器である迫力のある前カゴですが、どうしてもデザインのすっきり感では劣ってしまいます。また、ビッケ2とフレームが共通なので、体の大きな人だと、ビッケ2と同じく、前チャイルドシートの背中部分が足やおなかとぎりぎりの状態になってしまいます。

雨に注意、自治体によっては補助も

 電動アシスト自転車は、電動アシストユニットや電源スイッチなどの部分が弱点で、特に雨に注意が必要です。カバーを掛けてないときに雷雨にあうと、しばらくスイッチが不調になることも。

 気をつけなければならないのは、前チャイルドシートは、後用のシートよりも乗れる期間が短いということです。がっしりしたパナソニックのギュットミニでも、可能な年齢は4歳未満。体重が重いとハンドルが取られてしまうのです。兄弟の年齢が近いと、前後同時に乗れない期間が生まれることも。

 大事なのがヘルメットです。走り出すと軽快な電動アシスト自転車ですが、重量は30キロほど。親子3人が乗ったら100キロを超えることも。わき道から急に車が出てきたり、段差に引っかかったりして、慌ててバランスを崩したときに、ヘルメットが無かったら……。

横浜市都筑区のサイクルベースあさひ「港北電動アシスト館」で展示されているヘルメット。同社は東京、神奈川、大阪に「電動アシスト館」があり、試乗して選ぶことが可能。
横浜市都筑区のサイクルベースあさひ「港北電動アシスト館」で展示されているヘルメット。同社は東京、神奈川、大阪に「電動アシスト館」があり、試乗して選ぶことが可能。

 自治体によっては3人乗りアシスト車に補助があります。東京都葛飾区では、6歳未満の子供が2人以上いる区内在住者が指定店で買うと、購入費の半額(最大3万円)の助成があります。住んでいる自治体や自転車店に確認してみるといいでしょう。

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