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夏目漱石、記念イヤー目前で盛り上がり 月9ドラマにも「高等遊民」
来年2016年に没後100年を迎える夏目漱石が盛り上がっています。いくつもの新聞で小説が連載され、月9ドラマでもセリフに登場。ゆかりの地であることを猛烈にアピールする自治体も。
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来年2016年に没後100年を迎える夏目漱石が盛り上がっています。いくつもの新聞で小説が連載され、月9ドラマでもセリフに登場。ゆかりの地であることを猛烈にアピールする自治体も。
来年2016年に没後100年を迎える夏目漱石(1867―1916)が盛り上がっています。いくつもの新聞で小説が連載され、月9ドラマでもセリフに登場しました。ここぞとばかりにゆかりの地であることを猛烈にアピールする自治体も出ています。
2月、二つの地方紙が漱石の小説の連載を始めました。
熊本日日新聞は「草枕」を2月7日から掲載しています。漱石は旧制五高(現在の熊本大学)で英語を教えました。そのころ旅した熊本県玉名市の小天温泉を舞台にしたのが「草枕」です。
愛媛新聞は2月22日から「坊っちゃん」を連載しています。いわずと知れた松山が舞台の代表作です。漱石が旧制松山中学(現在の松山東高校)に赴任して今年で120年の節目というのが連載の理由だそうです。
朝日新聞は昨年4~9月に100年ぶりに「こころ」を再連載。現在は「三四郎」を連載中で、4月からは「それから」が始まります。いずれも、もともと朝日新聞の連載小説だったため、当時と同じ分け方になっているのをウリにしてます。
「漱石の『それから』における長井代助、『こころ』における先生などがその代表例だ」。
フジテレビ系の連続ドラマ「デート~恋とはどんなものかしら~」(毎週月曜夜9時に放送中)で、長谷川博己さんの口からそんなセリフが飛び出しました。
長谷川さん演じる谷口巧は「高等遊民」を自称します。高等遊民とは、明治から昭和初期にかけて高い教育を受けながら一定の職につかず、読書などをして暮らす人たちのこと。漱石の小説で繰り返し描かれるモチーフです。
母親の庇護で生きる巧は、自分は高等遊民と強がりますが、周囲は「ニート」「引きこもり」と冷ややか。ただ、ツイッターでは「私も高等遊民になりたい」などと羨望のつぶやきも上がりました。
ビジュアルで現代的に解釈したのは、マンガ家の浅野いにおさんです。河出書房新社から刊行されている「日本文学全集」第13巻の帯装画で「三四郎」のヒロイン美禰子を現代風に描き、話題になりました。
「三四郎」を連載する朝日新聞もネットの特集ページで登場人物を萌っぽいイラストで表現しています。
2016年が没後100年、17年が生誕150年という節目ですが、よりマニアックなアニバーサリーイヤーを前面に押し出しているのが熊本県です。来年は漱石が英語教師として熊本に赴任して120年。「プロジェクトSOSEKI」と題して、様々な取り組みを進めています。
漱石ゆかりの地方都市といえば、「坊っちゃん」の松山が有名です。ところが松山にいた期間はわずか1年。対して、熊本では4年を過ごし、結婚や第1子の誕生といった人生の重大事も経験しました。
これまでの影の薄さを払拭しようと「漱石の原点は熊本にあり」とうたって猛アピールしています。旧居や「草枕」の舞台など熊本のゆかりの地を紹介するマップ作りや、今夏には漱石が生まれ、晩年を過ごした東京都新宿区で企画展を開催します。漱石と熊本とのつながりを全国にPRし、ファンの誘致を狙ってます。
熊本を代表する人気キャラ・くまモンも昨年12月、漱石の命日にお墓参りするなど、PRに一役かってます。