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「岩波文庫ポーチ」進化中、試しに作ったら新製品まで 一番人気は…
岩波文庫の表紙をあしらったポーチが人気です。実験的に発売したところ好評で、シリーズ第3弾のミニノートも昨年末に発売されました。名著10タイトルの中で一番人気は…。
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岩波文庫の表紙をあしらったポーチが人気です。実験的に発売したところ好評で、シリーズ第3弾のミニノートも昨年末に発売されました。名著10タイトルの中で一番人気は…。
本の中からペンが出てきたら面白い――。そんな発想から生まれた、まるで岩波文庫のようなポーチ「オルネ ポケットリブレポーチ(岩波文庫)」が本好きの心をくすぐり、人気を集めています。
ラインナップは、「こころ」や「ロミオとジューリエット」など名作10タイトル。人気タイトルのポーチは、今も手に入りづらい状態が続いています。
この岩波文庫のようなポーチですが、ベージュ地に日本画家・平福百穂が手がけた唐草模様だけでなく、裏表紙の壺のマークまで忠実に再現しています。
現代文学、古典など分野を明示する色帯も付けて、初期の岩波文庫のレトロな雰囲気にできるだけ近づけています。
ちなみに実際の岩波文庫の表紙デザインですが、1927(昭和2)年の創刊以来、80年近く変わっていないそうです。
現在のような主に白色のカバーが付けられるようになったのは、1983年以降のことで、カバーを外せば、創刊時から変わらない雅やかな唐草模様を見ることができます。
素材はコットンで、サイズは幅12cm、高さ16cmと文庫本大。厚みも2.5センチと余裕があるので、通常のポーチ同様に小物を入れて使うほか、薄い文庫本と一緒にスマホや筆記用具を収納して持ち歩くこともできそうです。
販売しているのは、オリジナルのバッグや雑貨などを製造・販売する「ヘミングス」(東京都渋谷区)。
ヘミングスによると、「カバンの中から本を取り出して、その中からペンなど違うものが出てきたら面白いのでは」という発想からポーチは生まれました。岩波書店の快諾を得た上で昨春、実験的に各タイトル100~300個を書店などで販売。書店員のツイートなどから評判になり、すぐに完売したため、継続的に販売していくことを決めたそうです。
また「岩波シリーズ第2弾」として、同様のデザインのトートバックの販売も始めました。
現在、ポーチやバッグとして、ラインナップされているのは、
「こころ」(夏目漱石)
「蜘蛛の糸」(芥川龍之介)
「遠野物語」(柳田国男)
「竹取物語」
「ロミオとジューリエット」(シェイクスピア)
「人間失格」(太宰治)
「学問のすゝめ」(福沢諭吉)
「おくのほそ道」(松尾芭蕉)
「若きウェルテルの悩み」(ゲーテ)
「レ・ミゼラブル」(ユーゴー)
の10タイトル。
作品の選定にあたって、まずヘミングス側で、岩波文庫で出版されている本のうち、人気のある作家やタイトルの候補を選び、岩波書店に提案。岩波側から色々と助言や資料の提供を受けて再考し、最終的に上記10作品に決まりました。
ただ「夏目漱石の『こころ』だけは外せない」というのは両者の共通認識だったそうです。
一番人気は、昨年に誕生から100年を迎えた夏目漱石の「こころ」。両者が「外せない」とした名作は、やはり人気を集めました。
これに「人間失格」(太宰治)、「蜘蛛の糸」(芥川龍之介)が続くそうです。
ポーチが好評だったことから、ヘミングスは昨年末から、「岩波シリーズ第3弾」にあたるミニノートも売り出しました。
ポーチの人気上位5タイトルを製品化。岩波文庫を印刷しているのと同じ印刷所で、文庫本と同じ紙を用いて作るこだわりようです。
現在、ポーチ化されている10作品は、誰もが知る名作揃い。とはいうものの、自分のお気に入りの名作がポーチになるのを期待する方もいるのでは。
ヘミングスによると、「ラインナップの改廃は、現在の人気タイトルの本体の生地色変更やプリント色の変更なども視野に入れて検討中です。タイトルを変えるだけでは、見た目的にあまり大きな変更にはならないので色々と模索しています。トートバッグの新型も検討中です」ということでした。
今後の展開に注目しましょう。