話題
色んな「今年の○○」現る 音は「号泣」、数字は「8」、英単語は…
すっかり年末の風物詩となった「今年の漢字」。一方で、世相を表すのは漢字だけじゃないとばかりに、最近は様々な「今年の○○」が登場しつつあります。中でもユニークな「今年の音」「今年の英単語」「今年の数字」で2014年を振り返ります。
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すっかり年末の風物詩となった「今年の漢字」。一方で、世相を表すのは漢字だけじゃないとばかりに、最近は様々な「今年の○○」が登場しつつあります。中でもユニークな「今年の音」「今年の英単語」「今年の数字」で2014年を振り返ります。
年末の風物詩となった日本漢字能力検定協会の「今年の漢字」。2014年は「税」に決まりました。
ただ世相を表すのは、漢字だけじゃないとばかりに、最近は様々な「今年の○○」が登場しつつあります。
今年も残すところあとわずかですが、「今年の○○」で2014年を振り返ります。
音響製品メーカーのリオン(東京都国分寺市)が、「心に残った音」と題して、2011年から毎年、調査しています。
まず社内で今年、印象に残った音の候補を募集。応募があった音は、社内の選考委員会で10個に絞った上で、男女各500人にインターネットを通じて、その10個の音のうち、「心に残った音」を選んでもらっています。複数の音を選ぶのもアリで、結果はランキングにして発表しています。
「今年の音」1位に輝いたのは、7月の「兵庫県議会議員の記者会見での号泣」でした。
政務活動費について釈明する野々村竜太郎・元兵庫県議の会見の様子は、繰り返しテレビやインターネットのニュースなどで取り上げられ、ツイッターなどでも話題になりました。
54%の人が「心に残った」と回答し、2位に18ポイントの大差を付けました。選んだ人の割合は、関西の出来事ということで、西日本の方が少し高かったそうです。
2位は、「テレビアニメやアニメ映画の主題歌を歌う子どもたちの声」。
アニメ「妖怪ウォッチ」や映画「アナと雪の女王」が大ヒットしたことを受けて上位に。流行した歌などは調査の対象外で、あくまで「子どもの声」を「音」ととらえてのランクインです。
年末の紅白歌合戦には、「アナ雪」の主題歌を歌ったMay J.さんら、企画コーナーで「ようかい体操第一」で話題を呼んだDream5などの出演も決まっています。
1位 兵庫県議会議員の記者会見での号泣
2位 テレビアニメやアニメ映画の主題歌を歌う子どもたちの声
3位 大型台風などによる暴風雨の音
4位 全米オープンテニスなどで錦織選手へのスタジアムの応援と歓声
5位 ソチ五輪で日本選手のメダル獲得や活躍時の歓声
6位 ブラジルワールドカップの観客の歓声と落胆、悲鳴の声
7位 都議会のやじ問題で録音されたかすかな音声
8位 消費増税により増えたと感じる小銭の音
9位 デング熱で気になった蚊の羽音
10位 6月に悪天候で東京にひょうが降った時の音
※リオン調査
他に自由回答で、赤崎勇さん、天野浩さん、中村修二さんの3人が物理学賞を受賞した「ノーベル賞の時のカメラのシャッター音」、世界中で著名人が挑戦して話題になった「アイス・バケット・チャレンジで水が叩きつけられる音」などの音が寄せられたそうです。
英会話教室を運営するイーオン(東京都新宿区)も、昨年から社内の外国人教師に「日本の世相を表す英単語」を募り、結果を発表しています。
同社の広報担当者は、「外国からの旅行者の視点ではなく、日本に住む外国人の目から、その年の日本がどう映ったか示したかった」と話します。
今年は511人が回答。選択用のリストなどはなく、それぞれが思い浮かべた英単語を寄せるので、集まった単語は300語を超えたということです。
1位に輝いたのは2年連続で「Perseverance(忍耐、粘り)」でした。
今年は広島市の土砂災害(8月)、御嶽山の噴火(9月)など様々な自然災害に見舞われました。
昨年は、11年の東日本大震災からの復興をイメージして挙げた人が多かったそうです。しかし、今年は「土砂崩れや火山の噴火などがありながら、日本はあきらめず立ち止まらなかった」「デング熱、エボラ出血熱の脅威などに直面したが、乗り越えた」などの回答が寄せられたそうです。
2位になった「Resilience(回復力、立ち直る力)」も、同様の理由からランクインしました。
1位 Perseverance(忍耐、粘り)
2位 Resilience(回復力、立ち直る力)
3位 Change(変化)
4位 Progress(進展)
5位 Challenge(挑戦)
5位 Tax(税)
※同義語含む、イーオン調べ
広報担当者によると、4位の「Progress(進展)」や5位の「Challenge(挑戦)」など、海外の大舞台で活躍する日本人スポーツ選手の活躍やノーベル賞を受け、「明るく前向きな単語も目立った」ということです。
公益財団法人の日本数学検定協会が、今年初めて企画しました。
協会の公式ツイッターを通じて、「今年の世相を表す数字」を募集。桁数は制限なしですが、数式は不可という条件でした。
12月8日~19日の間に募集し、24日に結果を発表しました。
「今年の漢字」は「税」でしたが、「今年の数字」も税にちなみ、4月に8%になった消費税の「8」が選ばれました。
同協会によると、他にも世相を反映したユニークな数字が寄せられたそうです。
例えば、虚数の「i」。STAP細胞問題と佐村河内守氏の代作問題を念頭に置いたのか、「『あります』と言ったものが無いし、ゴーストライター登場するし」との理由と共に寄せられました。
また前述の号泣県議の語呂合わせから「59」という投稿もあったそうです。
「今年の数字」は初めての試みでしたが、応募は予想よりも低調だったそうです。
それでも同協会の広報担当者は「期間を長くするなどもっと応募が集まる工夫をして、来年以降も是非やっていきたい。そして、いつか『漢字』と同じように、『数字』も年末に騒がれるようになれば」とめげずに話してくれました。
もうすぐ迎える2015年は、どんな年になるでしょうか。来年の今頃、「今年の漢字」はもちろん、音や英単語、数字も明るい出来事を象徴するようなものが選ばれると良いですね。