話題
チクングニア熱、米大陸で感染者100万人超 島民の1割感染も
カリブ海地域で猛威を奮う「チクングニア熱」の勢いが止まりません。昨年末に流行が報告されてから、感染者数は米大陸で100万人を突破しました。
話題
カリブ海地域で猛威を奮う「チクングニア熱」の勢いが止まりません。昨年末に流行が報告されてから、感染者数は米大陸で100万人を突破しました。
カリブ海地域で猛威を奮うチクングニア熱。今秋、日本でも話題になったデング熱同様、蚊が媒介するウイルス性の感染症で、発熱や発疹を引き起こします。
激しい関節痛が特徴で、病名もアフリカ東部のマコンデ族の言葉で「ねじ曲げられるもの」という意味に由来します。
先日も紹介したチクングニア熱ですが、米大陸での感染者数が100万人を突破しました。汎米保健機構(PAHO)の最新の報告(12月19日付)によると、疑い例も含めた感染者数は106万8853人(国外で感染して帰国した人を除く)で、最近1カ月前に比べて約14万人増えました。
昨年末に流行が始まってからの死者数は169人に上ります。
【米大陸のチクングニア熱発生状況】
PAHOのレポートを基に地図を作成しました。
米大陸で感染者が多い国や地域ほど赤色が濃くなりますが、カリブ海地域で顕著な様子がうかがえます。
実際に、感染者の8割は、カリブ海地域に集中しています。
またそれ以外でも地理的に近いエルサルバドルやコロンビアで、感染者が比較的多い現状が読み取れます。
カリブ海地域でも、圧倒的に感染者数が多いのは、ドミニカ共和国で、52万人超の感染者が報告されています。
【カリブ諸島でのチクングニア熱発生状況】
上記は、カリブ海地域をフォーカスした地図で、バブルの大きさで感染者数を表します。
やはりドミニカ共和国の大きさが目立ちます。
さらに地図上のバブルの濃さは、国や地域での感染率(10万人あたり)を表しています。
赤色は10万人あたりの感染者が1万人を超える、つまり人口の1割以上の感染者が報告されている島や地域です。
地図上の左下辺りに表示されているフランスの海外県のマルティニーク、グアドループなど小アンティル諸島などで発生率が高い状況が読み取れます。
チクングニア熱の治療法は確立されておらず、痛みをやわらげるなどの対症療法のみ。一番の対策は、蚊に刺されないことです。
これから年始年末は海外旅行シーズン。カリブ諸島方面へ渡航される方はぜひご注意下さい。