IT・科学
東大女子ハッカソン 優勝は、勉強の邪魔するアプリを隠すアプリ
「東京大学女子学生限定ハッカソン」の発表会が12月7日に開かれました。学生ならではの柔軟なアイディアが次々、誕生。グランプリにはアプリを隠すアプリという斬新な作品が選ばれました。
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「東京大学女子学生限定ハッカソン」の発表会が12月7日に開かれました。学生ならではの柔軟なアイディアが次々、誕生。グランプリにはアプリを隠すアプリという斬新な作品が選ばれました。
東大生の女子がアプリを考えたら?そんな企画「東京大学女子学生限定ハッカソン」の発表会が12月7日に開かれました。「試験勉強を邪魔するアプリを見えなくするアプリ」「もう使わなくなった教科書を有効活用するアプリ」「理系女子のストレスを吹き矢にして共有するアプリ」などなど。学生ならではの柔軟なアイディアが次々、発表されました。
ハッカソンは、プログラミングの初心者も含む学生35人が参加。学生は学部1年生から博士課程2年生までの35人が参加、半分は文系の学生でした。GoogleやAmazonなどIT企業の社員がメンターとして加わり、12チームが約1ヶ月間かけて作ったアプリを発表しました。
ハッカソンには、東京大学のソーシャルICTグローバル・クリエイティブリーダー育成プログラム(GCL)と産学連携結んでいるIT企業6社が協賛しました。GCLは大学院5年間の一貫教育で社会的イノベーション起こせる人材育成を目的にした教育プログラムです。今回のハッカソンは、アプリ開発に接点のない学生に興味をもってもらうことを目的に企画されました。
チーム「She」は、「風紀直しましょう」というコンセプトでアプリを発表。メンバーの1人が大学のクラス38人中、女子が1人という中で感じた「東大女子ならではの悩みを解決したい」という目的から生まれました。ストレスがたまった時にアプリ上の吹き矢を飛ばして、ストレスを共有します。吹き矢には「下ネタを言われた」など共感してほしい内容を入れます。受け取った友達は共感のメッセージを送ります。
勉強や就職、結婚など東大女子にしかわからない悩みを、共有したいという思いが込められているそうです。
チーム「e」が発表したのは「進捗どうですか」。「卒論」「レポート」など学生生活で抱えるタスクを投稿し、それを知り合いから煽られるのを楽しむアプリです。人から煽られたら「進捗あります」と返事をします。煽り、煽られるという機能に特化し、あえてシンプルなアプリにしました。開発した動機についてメンバーは「1人だとなかなか進まないタスクでも、人からちょっと構ってもらえると楽しく手を動かせる。それを形にしました」と話していました。
グランプリとなる優秀賞にはチーム「初心社」のアプリを見えなくするアプリが選ばれました。これは試験勉強中などに思わず立ち上げてしまうアプリを、ホーム画面から見えなくするというもの。別のホーム画面を立ち上げるアプリを作ることで、アイコンを隠せるようにしました。消す時間を設定でき、LINEなどソーシャルメディアには、アプリを隠していることを自動で返信できる機能もつけました。
メンバーは「初対面同士が作り上げるハッカソンは、アイディアをじっくり話し合うことが大事だと実感しました。コアアイディアをしっかり持てたことがよかったです」と話していました。
企画したGCLの清水あやこさんは「プログラミングなどは別の世界のことだと思っていた女子が、なじみのなかったITの世界に興味をもってくれたのがうれしいです」と手応え感じていました。曾我遼さんは「アプリ開発などに女性が参加することで、今までになかった新たな発想が生まれてくるはず。これからも定期的に開催していきたいです」と話していました。