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ナンシー関が残した10の言葉 「有吉、生来ふてぶてしい」
ナンシー関さんが亡くなって12年になります。11月14日からは渋谷パルコで展覧会も開かれます。今も色あせない、10の言葉を集めました。

ナンシー関さんが亡くなって12年になります。11月14日からは渋谷パルコで展覧会も開かれます。今も色あせない、10の言葉を集めました。
「友人の手帳に押してあげた似顔絵が、ずるずる仕事に」

ナンシー関さんは「消しゴム版画」というアートの分野を作ったパイオニアでした。使うのは普通の消しゴムとカッターだけ。そんな等身大な姿勢が、思わずくすりと笑ってしまう適度な「毒」もある世界観を生み出しました。
「弟子をとるなんて、そこまで世の中なめてるつもりないんですよ」
弟子入り希望者は、丁寧に断っていました。「いまでもこんなもので食べてていいのかという気持ちです」。連載を10本以上抱える売れっ子になっても、落ち着いたスタンスは終始、変わりませんでした。
「イラスト図案集の『おじいちゃん』の欄に載ってほしい」

村山富市元首相が首相を辞めた時のこと。「日本人の心の中に生きる幻のおじいちゃん像として、イラスト図案集の『おじいちゃん』の欄に載ってほしい」。ナンシー関さんは、村山元首相をおじいちゃんのモデルとしてとらえました。
「共演者が大物だろうが子供だろうが、極端に言えば動物だろうが、だれと一緒でも芸風が変わらない」

明石家さんまさんについて。吉本興業の養成所出身の芸人が増えてきたことに対して述べた際、注目する芸人として明石家さんまさんの名前を挙げていました。
「キムタクがコスプレしてるみたいな感じ。SMAP×SMAPのコントと一緒、そのワイド版」
初回視聴率31・3%を記録したドラマ「ラブ ジェネレーション」について。「平凡・日常を描こうとして、凡庸・お手盛りとはき違えてる。キムタクの仕事の場面とかディテールがベタベタでね。大甘、うそつけよ、という感じ」と手厳しいコメントになりました。
「会社に人生の全権を預けているサラリーマンって、こうしてみると勇気あるなあと思った」

山一証券の破綻について。「昨日までエリートの山一社員だった人が突然、路頭に迷うわけでしょ。ワイドショーでの取り上げ方も、こんな『物語』の典型にはめこんだみたいだった」と、感想を述べていました。
「そんなにハーブってやつを育てて、みんなどうしてるのだろうか。そんなにハーブを食ってるのか?」

雑誌「私の部屋ビズ」について。実は、高校時代は園芸部だったことも明かしています。また「園芸」と「ガーデニング」の違いについても言及。園芸系の「園芸ガイド」の付録「病害虫ハンドブック」と、「ガーデニング」系の「私の部屋ビズ」の特集「英国民宿 泊まって学ぼう、ガーデニング術」の対比から、両者の違いを浮かび上がらせました。
「何の事前説明も、事後解説もなく股旅物が出てきた」

氷川きよしさんについて。人気の秘密を、圧倒的な唐突感とギャップにあると見ました。演歌歌手らしからぬ容姿で、大時代な股旅(またたび)ものを歌うという意外性について、「あそこまでの唐突さをもった曲は近年ない」と述べていました。
「来場所はどうするか。やはり筋力トレーニングをするしかない」

子どもののころ、千代の富士が脱臼したという父親のウソを信じて述べた一言です。千代の富士の大ファンで、千代の富士本人の気持ちになって考えてしまうほどテレビを真剣に見ていた人でした。
「生来ふてぶてしい」

有吉弘行さんについて。1998年にはすでにその存在感を見抜いていました。ナンシー関さんの文章は、テレビで見てとれるものだけを信じて書くという「顔面至上主義」を貫きました。