IT・科学
ネットショップの極意は?「画像が命、説明は140字」BASE代表
ネットショップ作成サービスのBASEは、「ショップ開設も運営も無料」を掲げ、急成長を続けています。鶴岡裕太CEOにネットショップの最先端について聞きました。
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ネットショップ作成サービスのBASEは、「ショップ開設も運営も無料」を掲げ、急成長を続けています。鶴岡裕太CEOにネットショップの最先端について聞きました。
ネットショップ作成サービスで急成長をしているBASEは、今や10万店を超えるショップを集め、流通額は年間数十億に達しています。スマホ世代に向けて「ショップ開設も運営も無料」を掲げ、次々と新しいサービスを投入してきました。最先端を突っ走る鶴岡裕太CEOにネットショップの最先端を聞きました。
BASEには、アパレルを中心に、芸能人のグッズや手作りの1点ものまで、幅広いジャンルのお店が商品を出しています。無料で出店できること、30秒でつくれることを売りに急成長をしてきました。中でも意識していてきたのがスマホです。「スマホの普及がネットショップを大きく変えました。プロではない人、若い人との距離が一気に縮まりました。だからスマホですべてが完結できることは必須の機能だと思っています」(鶴岡CEO)
BASEの特徴の一つが、プロではない趣味の延長で商品を売っているような人の利用が多いことです。そもそも、BASEが生まれたのは、鶴岡CEOが自分の母親でも開店できるようなネットショップ作成サービスを作ろうと思ったのがきっかけでした。PCを使わずスマホだけで開店できる操作性、開店へのハードルの低さは、BASE成功の要因だったといえます。
成長するお店と、そうではないお店を分けるものは何か。その一つが写真です。スマホでお店のサイトを訪れたとき、最初に目に入る画像がすべての印象を決めてしまいます。「うまくいっているお店はビジュアルに気を遣っています。商品画像をはじめ、ビジュアルの完成度が高いです」(鶴岡CEO)
もう一つのポイントは、シンプルなメッセージ。スマホには、メールやLINE、フェイスブックの通知など様々な情報が集まります。膨大な情報が集中する中で商品の魅了を印象づけるためには、シンプルに響く言葉が重要になってきます。「お客さんの心をつかむには、140文字のツイッターで伝えられるくらいの簡潔さが大事。クチコミでお店の評判が拡散するのはソーシャルメディアです。電車の待ち時間やご飯を食べている時など、小刻みな時間にどう入り込めるかが勝負になります」(鶴岡CEO)
BASEのように気軽にネットショップが開けるようになった時代には、製品にまつわるストーリーこそが商品になります。例えば、貧乳ブラで話題になったハヤカワ五味さんの場合、自分のコンプレックスが商品誕生のきっかけになったエピソードに共感が集まりました。「その人にしか伝えられないメッセージはネットショップにとって強い魅力になります。上手に運営している人は、ブログやツイッターなど、色々な発信手段を駆使しています」(鶴岡CEO)
【拡散希望】貧に…品乳向けランジェリーブランド《feast by GOMI HAYAKAWA》始動します!「なんで、胸がある子にはランジェリーを選ぶ楽しみがあって貧乳にはない?」来月頭?中頃に予約開始予定です! pic.twitter.com/IkVyh7Y9Zo
— ハヤカワ五味@24日熊本 (@hayakawagomi) 2014, 7月 29
設立した2012年から急成長中を続けるBASEですが、鶴岡CEOは「スマホの普及で、がらっと変わった時に自分たちがいた。タイミングがよかった」と言います。そして、ネットショップの変化はまだ始まったばかりだとみています。
「ネットショップは突き詰めると『あらゆる価値の交換を最適化する』ことに行き着くと思うんです。例えば今は、デザインさえあればオーナーがiPhoneケースを販売できる仕組みを設けています。こんな風に、商品制作では自分のつくる価値と他人が提供する価値を交換する最適化が進んでいます。あとは決済でも10円の現金とモノを交換するときに、ネットだと今は手数料がかかりますが、手数料がかからないようにするとか、リアルからネットへの最適化はどんどん進んでいくはずです」