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スコッチ、なぜ選ばれず? 世界最高ウイスキーから漏れた、その背景

 イギリスの有名なウィスキーガイド本が選ぶ世界最高のウイスキーにサントリーのシングルモルトウイスキー「山崎」が選ばれました。一方で、本場のスコッチウィスキーは上位に選ばれませんでした。ウイスキーの本場、スコッチに何があったのでしょうか?

ドラマ「マッサン」に出演のシャーロット・ケイト・フォックス(右から2人目)と玉山鉄二(同4人目)。モデルとなった竹鶴政孝がウイスキー作りを学んだスコッチに何が起きたのか…
ドラマ「マッサン」に出演のシャーロット・ケイト・フォックス(右から2人目)と玉山鉄二(同4人目)。モデルとなった竹鶴政孝がウイスキー作りを学んだスコッチに何が起きたのか… 出典: 朝日新聞

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 イギリスの有名なウイスキーガイド本が選ぶ世界最高のウイスキーにサントリーのシングルモルトウイスキー「山崎」が選ばれました。一方で、本場のスコッチウイスキーは上位に選ばれませんでした。ウイスキーの本場、スコッチに何があったのでしょうか?

4700種類を試飲

 「山崎」が選ばれたのは、ジム・マーリー氏が著者の「ウイスキー・バイブル2015」です。今回のために、約4700種のウイスキーを試飲したそうです。「山崎」は100点満点中97・5点の高得点を獲得し「世界最高のウイスキー」に選出されました。

世界最高のウィスキーに選ばれたサントリーの「シングルモルトウイスキー山崎シェリーカスク2013」
世界最高のウィスキーに選ばれたサントリーの「シングルモルトウイスキー山崎シェリーカスク2013」
「シングルモルトウイスキー山崎シェリーカスク2013」が、100点満点中97・5点の高得点を獲得し、「世界最高のウイスキー」に選出された。日本産ウイスキーがトップを獲得するのはガイド本創刊12年の歴史で初めてという。
「山崎」が世界最高のウイスキーに スコッチは上位逃す:朝日新聞デジタル

「マッサン」の舞台、スコッチ

 スコットランドのウイスキーであるスコッチは、ウイスキーの元祖として知られています。NHKの朝の連続テレビドラマ「マッサン」では、主人公がウイスキー作りを学ぶ本場としてスコットランドが登場します。ドラマのモデル、竹鶴政孝、リタ夫妻が出会ったのもスコットランドです。

「マッサン」のモデル、ニッカウヰスキー社長の竹鶴政孝さん=1964年3月
「マッサン」のモデル、ニッカウヰスキー社長の竹鶴政孝さん=1964年3月

背景に原酒不足

 スコッチ文化研究所長の土屋守さんは、今回の選考の背景について、空前のスコッチブームがあると指摘します。スコッチは現在、世界的に人気となっていて原酒不足になっています。そのため、最近では熟成年数を示さない「ノン・エイジ・ステートメント(NAS)」という銘柄が増えています。このNAS銘柄に対して、ウイスキー愛好家の中には、厳格なスコッチの作り方から逸脱しているという声が出ているのです。

スコッチの香りや味を楽しむ人たち=2009年4月18日
スコッチの香りや味を楽しむ人たち=2009年4月18日

スコッチ業界への警鐘?

 「ウイスキー・バイブル」は、マーリー氏が1人で書いているため、ランキングなどには個人の考え方が色濃く反映されます。土屋さんによると、山崎以下の銘柄がバーボンだったのは、マーリー氏が現在、拠点をアメリカに移していることとも関係があるそうです。土屋さんは「熟成年数がスコッチの3分の1程度で済むバーボンでは、NAS銘柄の問題は起きません。今回の評価は、スコッチの蒸留所に対するマーリー氏のメッセージが込められているのではないでしょうか」と分析しています。

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