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韓国と向き合う対馬 国境観光、逆転の発想 「島活性化で安全保障」
人口減に悩む長崎県の対馬が「国境観光」に乗り出しています。「島の活性化が安全保障につながる」という思いから、対馬出発の韓国ツアーを企画しました。
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人口減に悩む長崎県の対馬が「国境観光」に乗り出しています。「島の活性化が安全保障につながる」という思いから、対馬出発の韓国ツアーを企画しました。
人口減に悩む長崎県の対馬が「国境観光」に乗り出しています。「島の活性化が安全保障につながる」という思いから、対馬出発の韓国ツアーを企画しました。
1607年に第1回朝鮮通信使が訪れたのが対馬でした。以来、朝鮮半島との縁が深い島として知られています。通信使は1811年までに12回、来日しました。
隣国との関係が、穏やかではない時もありました。盗まれた仏像が韓国から返還されない問題によって、2013年の祭りから朝鮮通信使の行列がなくなったこともありました。2014年には復活が決まりましたが、台風によって中止になりました。
とはいえ、国境観光は世界の色々なところで生まれています。韓国と北朝鮮の軍事境界線にある板門店を訪れるツアーは、すでに旅行商品として定番になっています。他にも安いガソリンを求めて国境を越えるなど、色々な形の国境観光があります。
対馬には韓国人の観光客が、たくさん訪れています。その数は年々増えており、昨年は18万5千人が訪れました。一方で日本人の観光客は20数万人で横ばいです。国境観光には、日本人の観光客を増やす狙いがあります。
昨年、対馬で日本初の国境観光が企画されました。福岡から飛行機で対馬に入り、海上の国境を越え釜山で1泊するという内容です。ツアーには31人が参加しました。アンケートでは半数以上が「対馬と釜山を再訪したい」と回答。地元では「商品化は十分可能」と手応えを感じています。
ツアーを企画した1人、九州大学講師の花松泰倫(やすのり)さんは 「対馬を国防のとりでにするのではなく、ゲートウエーとして、日本人も訪れたい場所にする。島を活性化することが、最終的には対馬と日本の安全保障につながる」と話しています。