話題
手帳も2冊持ちの時代到来か 手帳の総選挙に114冊、センターは?
手帳ナンバーワンを決める総選挙が都内であった。3回目だが年々規模拡大し、今年は台湾にも進出。主催する「日本手帖の会」に、オススメ手帳も聞いてきました。
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手帳ナンバーワンを決める総選挙が都内であった。3回目だが年々規模拡大し、今年は台湾にも進出。主催する「日本手帖の会」に、オススメ手帳も聞いてきました。
手帳ナンバーワンを決める「手帳100冊!書き比べ総選挙!!」が開幕。手帳をこよなく愛する人たちでつくる「日本手帖の会」の企画で、今週末には神戸で、来月は大阪、横浜で順次開催されます。
会場で目についたのが、ページが袋状になった手帳や、スケジュール部分が月の満ち欠けの周期の手帳などの変わり種です。スマホの2台持ちも珍しくないご時世、仕事では定番手帳を使いつつ、変わり種手帳をプライベートや日記代わりにという使い方もできそうです。
東京での「総選挙」の会場は、東急ハンズ銀座店。筆者が訪れた日はあいにくの雨で、銀座の人通りはまばらでしたが、会場内はなかなかの盛況。
まず会場入り口で、アンケート用紙と投票用のシールを受け取ります。
投票は1人3票。会場に並んだ114種類の手帳から気に入ったものがあれば、脇に置かれた用紙にシールを貼っていくというシンプルなルールです。気に入った手帳に3票すべてを投票してもいいし、3冊に1票ずつでもOK。
この「総選挙」の最大のウリは、展示されている手帳に自由に試し書きができることです。しかも、筆記用具の持ち込みも可。
主催する「日本手帖の会」のおりひか・いくおさんは「手帳を使う人は、筆記用具にもこだわる人が多いので、滑り具合、裏抜けするかなど様々な観点で愛用の筆記用具と紙との相性を試すことができます。こちらでもペンは色々用意していますが、お気に入りのペンを持ってくる人が多いですね」と解説してくれました。
昨年の「総選挙」では、万年筆を20~30本持参して、半日がかりで万年筆と手帳を色々と組み合わせて吟味する人もいたそうです。
「日本手帖の会」は、ネットなどを通じて知り合った手帳好きの人々の集まり。首都圏在住者が多かったが、最近関西支部も設立されたとのことです。
おりひかさんによると、「総選挙」の開催が決まったのは、12年秋ごろ。6月のAKB総選挙が盛り上がり、衆院の解散総選挙の気配も漂う中、オフ会での酒飲み話から「この時流に乗って、手帳でも総選挙を」と盛り上がったのがきっかけ。会員らが自腹で手帳を買い集め、東京都江東区内で記念すべき第1回を開催しました。
これが文具業界や愛好家らの間で話題になり、規模を拡大。3回目の今回は、東京を皮切りに全国4都市を巡回。さらには昨年のイベントに来場した人のつながりから、12月に台湾での展示会開催も決まりました。
せっかくなので、「手帖の会」のおりひかさんにオススメや面白い手帳を色々と紹介してもらいました。
まず挙げたのは、定番の「システムダイアリー」(システムダイアリー社)。
「1968年から続く国内最古のシステム手帳です。蛇腹式のものなど様々なリフィル(手帳用の用紙)がラインナップされているので、自分好みの手帳に出来ます。私は方眼をよく使うのですが、1ミリ、3ミリ、5ミリと色々と揃っているのが良いです。あと8穴方式というのが、日本独自なんです」
次に挙げたのは、「2015年レザー風手帳」(大創産業)。
「見て下さい。通常バーチカルタイプ(スケジュール欄で縦に時間軸をとったもの)の手帳は、見開きでスケジュール欄が左に来るレフトバーチカルなんです。ただこの手帳は逆で、スケジュール欄が右側で、メモ書きできるページが左側なんです」とおりひかさんの解説にも熱がこもります。
「この手帳は厚みがあるので、ページを開いた時は押さえながらでないと書けない。おそらく右利きの人であれば、手帳を開いて真ん中を押さえながら、左側のメモページに書き込みができるように設計したのでしょう。しかも、この質感で100円なんです」
他にも「ページが袋状になっているので、買い物のレシートや映画の鑑賞券などを挟めます」(ミドリデザインフィルの「ふくろDIARY」)などなど、おりひかさんに色々な手帳を紹介してもらいましたが、筆者が素人目線からユニークで、実際に筆者が投票した手帳を挙げていきます。
最も印象に残ったのは、「MOONPLANNER」。
表紙には、「2014.9.24-2015.4.18」と中途半端な期間が……。この手帳が斬新なのは、曜日や1週間、1カ月という単位を一切無視して、月の満ち欠けをスケジュールの基準にしているところです。なぜ多くの手帳は1月か4月始まりなのか、曜日の真ん中が日曜日ではいけないのか。色々考えさせられます。
スケジュール欄は、見開きで「新月から満月の前日」「満月から新月の前日」という配置になっています。スケジュール欄のレイアウトも個性的。
メーカーではなくて個人が作っていて、まだあまり流通していないそうですが、手帳の会のみなさんも「今回の総選挙で上位に食い込む勢いです。今後来るでしょう」と太鼓判。
続いては、お馴染みの黄色に赤字のロゴが目立つ「タワレコ手帳」。
1日1ページの日めくりタイプなので、若干分厚めです。
最大の特徴は、各ページの欄外に記されたその日の音楽に関する情報。過去の音楽・カルチャー関連の出来事やアーティストの誕生日、命日がぎっしり。
ちなみに今回の総選挙が始まった10月4日の過去の出来事は、「笑っていいともスタート」(1982年)、「オダギリジョーがアルバムを2枚同時リリース」(2006)など。
最後に注目したのは、マルマンの「クロッキーブック」です。
外観のカッコ良さ、クロッキー紙独特の紙触りが魅力です。何より良いなと思ったのが、片面印刷なので、インクが裏ページに映り込む「裏抜け」を全く気にしなくて良い点です。
展示されていたのはマンスリータイプのみで、もし週単位があれば、ぜひ使いたいと思いました。
以上、筆者が実際に会場で投票した3点です。「ふくろDIARY」や実際に投票した「タワレコ手帳」、「MOONPLANNER」は日記代わりにも使えそうですし、10年近く愛用する手帳シリーズとの2冊持ちもありかもと考え中です。
ちなみに「日本手帖の会」は先日、東京会場での投票結果をツイッターなどで発表しました。
#手帳総選挙 東京会場の順位発表!▶[1]スライド手帳 with HIRATAINDER Neo [2]EDiT B6 [3]ジブン手帳mini [4]MOON PLANNER [5]キャンパスダイアリー
続きはこちら→http://t.co/XlJ1f5wFFj
— 日本手帖の会・公式アカウント (@NipponTecho) 2014, 10月 21
やはり斬新さがあったのか、「MOONPLANNER」が上位に顔を出していますね。
今後、総選挙は以下の3カ所で順次開催されます。
●10月25日、26日 NAGASAWA神戸煉瓦倉庫店
●11月8日、9日 NAGASAWA梅田茶屋町店
●11月23日、24日 横浜市なか区民活動センター
投票結果は12月1日に東京・お台場で開かれる表彰式で発表予定です。
文具店や百貨店でもそろそろ手帳の専用コーナーが設置される時期。手帳好きな方、来年の手帳を迷っている方は、会場に足を運んで、参考にしてはいかがでしょうか。