市民と警察が激しく衝突
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中国本土と香港の一国二制度、トップ選びで対立
中国本土と香港の違い
香港行政長官選挙
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学生ら中心部を占拠、衝突と膠着
香港中心部の幹線道路を占拠した民主派の学生ら=時津剛撮影
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香港のデモの構図
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香港のデモをめぐる米中の構図
始まった「異例の対話」
中学5年(高校生に相当)のマビス・ユーさん(18)、アリエティー・チャンさん。ユーさんは「住民や店の人に迷惑をかけているのは、申し訳ないと思ってる。でも、政府が市民の声にきちんと向き合えば、こんなに長引かなかったはず。責任は政府にもある」と話した。「選挙制度改革は、自分たちの未来にも関係すること。若くたって自分の考えは示したい」
政府が進める香港郊外の農村開発計画に反対している卓佳佳さん(25)はほぼ毎日、参加。警察の催涙弾に備え、ゴーグルやマスクも持参している。物価は上がり、庶民の生活は苦しくなるばかり。「政府は一部の業者を優遇し、市民のことを考えていない。きちんと民意を反映させるには、選挙制度から変えないといけない」と考えている。
占拠に反対する人たちとの小競り合いが続いている旺角では、玩具店を営む陳明輝さん(30)が占拠に加わっていた。3日に学生が正体不明の暴徒に襲われたのを見て、金鐘から移ってきた。「大人が守らなきゃ、と思ってね」
旺角には銀行や貴金属店、ブランド品店が集まり、占拠は政府への圧力になると考えている。「休業している店は暴徒が怖いからで、責任は暴力を止めなかった政府にある。リーダーはいないが、みんな心はひとつ。もし学生団体が撤退を決めても、ここを離れない」と決意を語った。
IT会社に勤めるアンガス・イウさん(40)。翌日も仕事があり、3時間ほどで帰るつもりだ。「学生が頑張っているから、少しだけど支持を表したくて」と話した。だが、そろそろ市民生活への影響は避けるべきだとも思う。「商店が多い銅鑼湾や旺角からは撤退し、金鐘に集まるべきだ。支持していた人たちも離れてしまう」
実は、選挙制度改革の見通しには悲観的だ。「対話といっても、中国が背後に控える香港政府ができることはほとんどない。でも、ここで抗議ができるのも、自由がある香港だから。自由で民主的な社会だけは守りたい」
民主派リーダーの黄之鋒さん
占拠の続く香港の官庁街・金鐘では香港政府と民主派の対話が大型スクリーンで同時中継され、学生団体の代表が発言する姿が映し出されると大きな拍手があがった=石橋亮介撮影
占拠が続く道路脇の柱には、「天安門事件を繰り返すな」と書かれた紙が貼られていた=延与光貞撮影
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