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マララさん タリバーン支配を偽名で発信 ブログ終了間際に本名公表

ノーベル平和賞に決まったマララさん。2009年1月、タリバーン支配下の地域からブログで厳しい生活の様子を、決死の覚悟で発信しました。

公立図書館の開館式に出席したマララ・ユスフザイさん=2013年10月7日、英中部バーミンガム、伊東和貴撮影
公立図書館の開館式に出席したマララ・ユスフザイさん=2013年10月7日、英中部バーミンガム、伊東和貴撮影 出典: 朝日新聞

目次

ノーベル平和賞に決まったマララさんは、2009年1月、タリバーン支配下の地域からブログで厳しい生活の様子を、決死の覚悟で発信しました。

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親戚相手に英語スピーチ

教員一家に生まれたマララさんは、早くから英語を習うなど、教育熱心な家庭で育ちました。親戚の子ども相手の英語のスピーチの練習ではからかわれてもお構いなしで熱弁をふるうなど、当時から、意思の強さを感じさせるエピソードが伝わっています。

親たちが学校や教育の話をし、家に本があふれる環境で、マララさんは育った。英語への情熱は父の勧めだったようだ。親戚の子供らを聴衆に、英語でスピーチの練習。からかわれてもお構いなしで熱弁をふるった。
学ぶ、闘う、変える マララさんにサハロフ賞:朝日新聞デジタル

2007年、タリバーン支配で生活暗転

マララさんの生活は2007年、暗転します。反政府武装勢力タリバーンがスワート渓谷一帯を支配下に置きました。その時、標的にされたのが女子教育でした。

2007年、生活は暗転する。反政府武装勢力タリバーンがスワート渓谷一帯を支配下に置き、標的としたのが女子教育だった。
学ぶ、闘う、変える マララさんにサハロフ賞:朝日新聞デジタル

偽名でブログ、世界から反響

そんな厳しい生活をマララさんは、ブログで発信します。マララさんがパキスタンの公用語ウルドゥー語で書いた日記を毎晩、BBCの記者が電話で聞き取り、BBCのウルドゥー語のブログに掲載しました。その際、安全のため「グルマカイ(トウモロコシの粉)」というペンネームを使いました。年齢も実際より2つ上の13歳にしました。

公立図書館の開館式に出席したマララ・ユスフザイさん(左)と父ジアウディンさん=2013年9月3日、英中部バーミンガム、伊東和貴撮影
公立図書館の開館式に出席したマララ・ユスフザイさん(左)と父ジアウディンさん=2013年9月3日、英中部バーミンガム、伊東和貴撮影
ブログでは年齢を実際より二つ上の13歳とし、「グルマカイ(トウモロコシの粉)」というペンネームを使った。2009年1月の開始直後からブログは大きな反響を呼んだ。
学ぶ、闘う、変える マララさんにサハロフ賞:朝日新聞デジタル

ブログ終了間際、本名公表「私はマララ」

ブログの終わりが近づいた2009年2月、州都ペシャワルの集会で、当時11歳のマララさんは言い放ちました。「私の名はグルマカイではありません。マララ・ユスフザイ。他の誰でもない」。マララさんは、少女たちの教育の権利を訴え続けました。しかし2012年10月、タリバーンの銃弾がマララさんの頭を貫き、意識不明になります。

だが、懸念は現実となる。12年10月、タリバーンの銃弾がマララさんの頭を貫き、意識不明になった。
学ぶ、闘う、変える マララさんにサハロフ賞:朝日新聞デジタル

イギリスからも発信、国連でも演説

イギリスでの治療を受けたマララさんは奇跡的に回復。2013年7月には国連でも演説をし、世界中から共感を呼びました。2013年11月には人権や表現の自由を守る活動をたたえる「サハロフ賞」も受賞しました。

国連を訪れて、潘基文事務総長と握手するマララ・ユスフザイさん=2013年7月12日、ニューヨーク
国連を訪れて、潘基文事務総長と握手するマララ・ユスフザイさん=2013年7月12日、ニューヨーク
英国に搬送されたマララさんは奇跡的に回復。今年7月には国連で演説し、再び世界の共感を呼んだ。女子教育を支援する「マララ基金」が設置され、米女優アンジェリーナ・ジョリーさんらも協力し、スワート渓谷の少女40人への援助が決まった。
学ぶ、闘う、変える マララさんにサハロフ賞:朝日新聞デジタル

マララ・ユスフザイさん
パキスタンの女子学生。女子が教育を受ける権利をブログなどで訴えていた。12年10月、下校中に武装勢力に襲われ、頭を銃で撃たれた。反政府武装勢力パキスタン・タリバーン運動(TTP)が犯行を認めた。英国の病院に搬送され、損傷した頭蓋骨(ずがいこつ)の修復手術などを受け、奇跡的に回復。支援の輪が世界中に広がり、今年のノーベル平和賞の有力候補に。TTPは再襲撃を予告しており、現在は英バーミンガムの学校に通っている。

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